トランプ米大統領がツイッターで「適切な時が来れば、中国と取引ができるだろう」と投稿した。同時に「中国はマネーを供給し利下げをする」と述べた上で、「米連邦準備理事会(FRB)も同じことをすれば我々の勝ちだ」とFRBの利下げに言及した。
パウエル議長をはじめとしたFRB高官からは、利下げに否定的な発言が相次いでいる。しかし、市場の利下げ期待は高く、CMEの「Fedウオッチ」によると2019年中の利下げ確率は70%を超えている。
■市場が織り込む2019年の利下げ確率は70%
世界の投資家も、FRBに利下げを催促しているかのようだ。
バンクオブアメリカ・メリルリンチが14日に公表した5月のグローバルの機関投資家調査によると、S&P500種株価指数がどの水準まで下落すればFRBが利下げに踏み切るか質問したところ、「2500」との回答比率が前月の10%をやや上回る水準から一気に20%前後にまで上昇した。
■S&P500で2500が分水嶺か(バンカメメリルのグローバル機関投資家調査より)
もっとも比率が高いのは「2350」で25%を上回った。ただ、「2200」も25%をやや下回る水準にあり、2200~2500のレンジに収れんしている。14日の終値は2834だった。まだ距離はあるものの、2500が視野に入ると、市場では次第にFRBの利下げが意識される展開になりそうだ。(池谷信久、岩切清司)
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