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【Art Market Review】名和晃平✕ドラえもん、予想価格の2倍近くで落札

今回は4月26日と27日の2日間にわたって開催されたSBIアートオークションから、国内外で高い評価を得ている彫刻家、名和晃平(なわ・こうへい、1975~)の作品についてリポートする。名和は2011年に東京都現代美術館で個展を開いたほか、海外の国際展や美術館への出展歴も多い。

  • SBIアートオークション Modern and Contemporary Art, No.32
  • 出品数520点 落札点数469 落札率=90.2% 落札総額=8億711万6000円(税抜き)
  • 4月26~27日 東京・代官山ヒルサイドフォーラム

出品されたのは、「PixCell」シリーズの4点と他1点。「PixCell」とは、PC画面の画素ピクセル(Pixel)と細胞のセル(Cell)を組み合わせた名和独自の概念(造語)で、モチーフを透明の球体などで覆うことで、物質に新たな知覚体験をもたらす作品を展開している。自身の代表的なシリーズのひとつである。

今回の出品作品のうち「PixCell[Toy-Doraemon]」は、人気キャラクターのドラえもんを覆った作品で、落札予想価格120万~180万円に対して上限価格の1.9倍の345万円で落札された。「PixCell」シリーズのほかの作品にも、落札予想価格の上限を上回る価格で落札されたものがあった。

2014年から18年のオークションに出品された類似作品を抽出分析したACF美術品パフォーマンス指標を見てみると、14年の落札平均価格が約62万円なのに対し、18年には約240万円に上昇している。落札価格平均のグラフには上下動があるものの、落札予想価格の上限に近いレンジで推移しており、高いパフォーマンスであることがうかがえる。今回のセール結果からも、19年も右肩上がりの動向になると見込まれる。

今回は国内外205名の作家の作品520点がセールにかけられ、落札予想価格の上限を超える高値の落札となった作品も半数近くあるなど非常に活気のあるオークションだった。オークションカタログの表紙を飾ったのは、以前このコーナーでも取り上げたKAWS(カウズ)で、1999年制作の作品「Untitled(TSE)」が落札予想価格800万~1600万円のところ5290万円と最高額での落札となった。次いで、草間彌生のオリジナル作品が3作品、奈良美智、五木田智央、ロッカクアヤコ、高松次郎が名を連ね、コレクターに人気の作家が順当な結果を残した。

(月1回配信します)

※アート・コンサルティング・ファーム提供 ⇒リポートはこちら

SBIアートオークションの次回開催予定は7月27日


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