5月31日のロンドン金属取引所(LME)で銅の3カ月先物は、一時1トン5816.0ドルと1月上旬以来、約5カ月ぶりの安値をつけた。足元の銅価格下落は5日にトランプ米大統領が中国製品の全てに追加関税を課す姿勢を示したことが起点になっている。
銅は加工性や導電性などの優れた特性を持ち、送電線から自動車まで幅広く使われている。景気に先行して価格が変動すると言われており、世界最大の銅の消費国である中国経済の影響を受けやすい。こうしたことから銅相場は「Dr.カッパー」とも呼ばれる。
米中摩擦の先行き不透明感は強い。銅価格の下落は中国景気のさらなる減速を示唆している可能性がある。(池谷信久)
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