「S&P500指数が新たな最高値を付けた。今年は19%上昇している。おめでとう!」
このご機嫌なツイートが誰のものか、もはや言うまでもないだろう。3日の米国市場は独立記念日の休場を前に短縮取引だったが、S&P500指数は今年8回目となる史上最高値更新となったほか、ダウ工業株30種平均株価とナスダック指数も史上最高値を更新して主要3指数は堅調に終えた。
対中強硬派として知られるピーター・ナバロ大統領補佐官(通商製造政策局長)は3日にブルームバーグTVのインタビューで「新しい米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)が承認され、金利を下げ、トランプ大統領の成長計画を推進すれば、ダウは3万ドルに到達する」と述べていた。米中の貿易戦争が一時休戦となる中、トランプ政権幹部から株式市場に強気のコメントが相次いでいる。
高値で推移するのは株価だけではない。米債券市場で米10年債利回りは約2年8カ月ぶりの水準まで低下(価格は上昇)した。利下げ観測や中東情勢の緊張で、ニューヨーク金先物相場も6月末に約6年ぶりの高値をつけている。
■ダウ平均、S&P500、米10年債利回り(逆目盛り)、NY金先物の年初からの推移
株や原油といったリスクオン相場で買われる商品から、債券や金といった本来はリスクオフ相場で買われる商品までがそろって上昇。「ゴルディロックス」を通り越したかのような今の相場を、なんと呼べばよいのだろうか。(片平正二)
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