QUICKコメントチーム=片平正二、池谷信久
12日の米国市場で、アルゼンチン株を投資対象とするグローバルXアルゼンチンETFが5営業日ぶりに急反落し、24%超下げて25.21ドルで終えた。また、アルゼンチンの代表的な株価指数であるメルバル指数は前週末比で1万6824.29ポイント(37.9%)安の2万7530.80で終えた。
アルゼンチンで11日に行われた大統領選の前哨戦となる予備選挙で、左派のアルベルト・フェルナンデス元首相が得票率約47%と、現職で中道右派のマウリシオ・マクリ大統領に約15ポイントの大差をつけて首位に立った。現職ではなくポピュリズム路線の左派候補が優位となったことで政情不安が高まった。為替市場ではアルゼンチンペソが対ドルで一時30%超急落した。
さらに国債にも売りが殺到。フィナンシャル・タイムズ電子版によると、2017年に発行した100年国債(センチュリーボンド、償還期限2117年)は先週末の額面1ドルあたり74セント台から56セント台へ急落した。利回り換算では10%を超えるという。
アルゼンチンのほか、香港やイタリア、北朝鮮などの地政学リスクが相次いで浮上。市場の動揺は長引く可能性もある。
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