SMBC日興証券が提供する投資一任サービスの「日興ファンドラップ」は、預かり残高の増加傾向が続いている。QUICK資産運用研究所が推計したところ、2017年8月末時点で1兆円の大台を初めて突破した。2014年8月末は約1400億円だったが、3年間で7倍近く膨らんだ。
預かり残高はファンドラップサービスに組み入れられている投資信託の純資産総額の合計値。現金などの部分は含んでいない。
日興ファンドラップは、外国籍の投信で構成されているのが特徴の1つだ。ほかの大手証券が提供するファンドラップサービスは国内籍の投信で構成されている。外国籍投信を活用しているのは日興ファンドラップのみで、ヨーロッパ有数の大手金融会社エドモン・ドゥ・ロスチャイルド・アセット・マネジメントが運用するファンド・オブ・ファンズ形式の外国籍投信を組み入れている。
ファンドラップサービス(SMAを除く)の預かり残高が1兆円を突破したのは、野村證券、大和証券に次いで3社目。三井住友銀行の仲介で販売しているSMBC日興証券の「SMBCファンドラップ」も預かり残高が4000億円を上回り、2つのサービスを併せると1兆5000億円に迫る勢いとなっている。
日本投資顧問業協会がまとめた業界全体のラップ口座の残高は、2017年6月末時点で過去最高の6兆9272億円だった。
(QUICK資産運用研究所 石井輝尚)