9個の金融知識問題のうち、全問正解は1.6%にとどまった(添付「図5-9」参照)。正解ゼロがダントツに多い。
■低い自己評価
これとは別に、金融知識や判断力について「自己評価型」の質問にも答えてもらい、「金融リテラシー得点」をつけて平均値でレベル分けした。4段階のうち自己評価が最も低い「平均値2未満」が全体の4割超を占めた。全般に金融に関する知識や判断力に自信がないことがうかがえる。
金融リテラシー得点 構成比
(自己評価型) (%)
+—————-+——–+
平均値2未満 42.4%
平均値2以上3未満 24.0%
平均値3以上4未満 29.7%
平均値4以上 3.8%
+—————-+——–+
回答者数 5104人
■正解数と自己評価の関係は…
金融知識レベルと自己評価の高さの関係を調べるために、正解数と金融リテラシー得点(自己評価型)を組み合わせて構成比を算出した(添付「図5-10」参照)。
たとえば正解数ゼロで「平均値2未満」は全体の19.67%。一方、同じゼロでも自己評価が最も高い「平均値4以上」は0.24%しかいない。つまり金融知識レベルが低い人は自己評価も低いことが分かる。
■「学習機会あれば参加」3割弱
金融知識などについて学ぶ「投資教育」への意欲もそれほど高いとは言えない。「資産形成・資産運用について学習する機会があれば参加したい」との考えにどの程度あてはまるか聞いたところ、「あてはまる」と「ややあてはまる」が26.0%にとどまった(添付「図5-11」参照)。
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▼金融リテラシー問題(自己評価型)
Q.以下のそれぞれの項目はあなたにどの程度あてはまりますか。(それぞれひとつずつ)
Q1.テレビ、新聞、雑誌、インターネットなどで資産形成・資産運用に関する情報を
積極的に得るほうである。
(1)あてはまる(3.2%)
(2)ややあてはまる(13.5%)
(3)どちらともいえない(29.2%)
(4)あまりあてはまらない(18.3%)
(5)あてはまらない(35.8%)
Q2.保有している金融商品・サービスについて、仕組み・収益・リスクを理解している。
(1)あてはまる(3.7%)
(2)ややあてはまる(16.4%)
(3)どちらともいえない(33.4%)
(4)あまりあてはまらない(16.7%)
(5)あてはまらない(29.8%)
Q3.金融全般に関する知識は、他人より詳しいほうだ。
(1)あてはまる(1.6%)
(2)ややあてはまる(6.8%)
(3)どちらともいえない(31.2%)
(4)あまりあてはまらない(20.3%)
(5)あてはまらない(40.1%)
Q4.金融商品などについて、人からよく聞かれることがある。
(1)あてはまる(0.9%)
(2)ややあてはまる(4.9%)
(3)どちらともいえない(26.7%)
(4)あまりあてはまらない(18.9%)
(5)あてはまらない(48.5%)
Q5.金融商品の購入タイミングについて、経済動向等をにらんだ上で判断できるほうだ。
(1)あてはまる(1.0%)
(2)ややあてはまる(6.1%)
(3)どちらともいえない(31.5%)
(4)あまりあてはまらない(18.9%)
(5)あてはまらない(42.4%)
※選択肢の横の数値は該当者の比率
※レベル分けは以下の金融リテラシー得点の平均値に基づいて4段階に区分。
5点=「あてはまる」
4点=「ややあてはまる」
3点=「どちらともいえない」
2点=「あまりあてはまらない」
1点=「あてはまらない」
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(QUICK資産運用研究所)