積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)が始動し、4カ月が経過する。3月末の口座数は50万口座前後と伝わるなど、2014年に創設された従来のNISAの口座開設ペースと比べると10分の1以下。金融庁は個人に安定的な資産形成を促す制度の普及・利用促進に腐心するが、4年前と比べて盛り上がりに乏しいのは否めない。運用会社や販売会社など金融機関も試行錯誤を続けている。
金融庁が4月21日に個人投資家向けに開いた「つみたてNISAフェスティバル(つみフェス2018)」は、募集開始から4日間で定員の250人が埋まるほど人気化し、当日の会場は熱気に包まれた。同庁はより多くの人に資産形成に関心を持ってもらえるように、昨年4月から開いている個人投資家との意見交換会(つみたてNISA Meetup)もあっという間に定員が埋まっている。投資に興味・関心がある個人が着実に増えていることは事実だ。
「想定した資産形成層に想いは届いている。課題は普及のペースと稼働率を上げることだ」。運用会社の三菱UFJ国際投信が販売会社のキーパーソンを全国から招いて4月24日に開いた「つみたてフォーラム」で、プロダクト・マーケティング部長の吉田研一氏は力を込めた。つみたてNISA推進は「家計にとっては小さな成功体験が金融リテラシー(向上)につながり、金融機関にとっては安定的な資金ルートができる。つみたてNISAをきっかけとした金融取引のプラットフォームの提供も可能だ」と説いた。

つみたてフォーラムの様子
「つみたてフォーラム」のパネルディスカッションに参加したゆうちょ銀行は、つみたてNISAの推進で存在感を示している。申し込みのほとんどは投信を初めて買う新規顧客だという。テレビCMや店頭ののぼり旗に加え、大相撲の懸賞旗でもアピールするなど積極的な取り組みが目立つ。
CMによる販売促進では三菱UFJ銀行も引けを取らない。有名俳優を起用したミュージカル風の映像を目にした人は少なくないはずだ。同行は有人店舗とインターネットのハイブリッド化を進め、対面チャネルと非対面チャネルを上手に使い分けている。きっかけは店頭、契約はウェブサイトという流れも増えているようだ。
横浜銀行は申し込み・稼働率ともにまずまずといった見解を示した。従来NISAに比べ、つみたてNISAは現役世代の割合が圧倒的に多いのが特徴だ。土日を活用したセミナーや住宅ローンを契約した顧客へのアプローチなど、地道な取り組みが大きな基盤づくりにつながる可能性を秘める。
制度普及の成否はスタートが肝心。金融庁と金融機関は新たな投資家の開拓にひた走る日々が続きそうだ。
(QUICK資産運用研究所 小松めぐみ)