複数の投資信託に分散投資する際、有効な組み合わせを探すのに便利なのが「相関係数」と呼ばれる統計指標だ。投資対象で区分した「新QUICK投信分類(大分類)」について、7月末までの1年間(日次データ)と10年間(月次データ)の相関係数をまとめた。
複数のファンドに投資する場合、値動きの傾向が違うタイプを組み合わせると分散投資の効果が出やすい。例えば、投資家のリスク選好局面で買われやすい株式に投資するファンドと、逆に売られやすい債券に投資するファンド。この両方を持っていれば反対方向の値動きが打ち消しあって、全体のリスク(価格の振れ幅)を抑えることができる。
有効なファンドの組み合わせは「相関係数」を使うと探しやすい。相関係数は投資対象が異なる2つのファンドが似た値動きをするほどプラス1に近づき、逆の値動きをするほどマイナス1に近づく。ゼロなら値動きの関係がなかったことを示す。相関係数が低いファンド同士を組み合わせると、全体の価格変動リスクを低減しながらリターン向上を狙う分散投資効果が期待できる。
表の「先進国債券(投資適格)型」を見ると「国内REIT型」との相関が0.12と低いが、「バランス型」との相関係数は0.71と高い。「先進国債券(投資適格)型」の投信を保有していて、もう1ファンド購入を検討している場合、「バランス型」を購入するよりも「国内REIT型」を組み合わせた方が、よりリスクを小さくすることができると言える。
【分類別相関係数(日次1年)】7月末時点
【分類別相関係数(月次10年)】 7月末時点
出所:QUICK資産運用研究所
※▲はマイナス。分類は「新QUICK投信分類(大分類)」を使用、対象は追加型株式投信(ETF、通貨選択型除く)
(QUICK資産運用研究所)