QUICK資産運用研究所が昨年11月に実施した「個人の資産形成に関する意識調査」。12回目は投資信託とラップ口座、外貨建て保険それぞれの理解度と費用の把握度合いを聞いた結果を掲載する。(調査概要と過去の配信はこちら)
■投信は75%が「理解」と答えるも‥
投資信託やラップ口座、外貨建て保険について、それぞれ保有・契約している人に商品の理解度を聞いた。投信は「よく理解している」と「ある程度理解している」の合計が75.1%だった。投資経験別でみると、投資経験の浅いほど「契約時は理解したが今は忘れつつある」と「理解できていない」と答えた人が多くなった。
商品を理解していると回答した人の割合が82.8%と最も高かったのはラップ口座。一方で、割合がやや少なめだったのは外貨建ての終身保険だった。終身保険は一度加入すると原則、保障が一生涯続くという商品性も影響したとみられ、「契約時は理解したが今は忘れつつある」と答えた人が多かった。
もっとも商品を理解していると回答した人には「理解したつもり」が含まれている可能性がある。例えば、自身の投資経験について聞かれた質問に対して「投資経験なし」と申告した投信保有者もおり、このうち半分近くが投信の商品性を「よく理解している」「ある程度理解している」と回答。外貨建て保険を契約している人では3割強が「投資経験なし」と回答しており、元本割れのリスクがある商品を保有していても「投資をしている」という感覚に結びついていない場合もあるようだ。
■費用把握、ラップ>投信>外貨建て保険
投資信託やラップ口座、外貨建て保険を契約している人に保有する商品の費用を把握しているか聞いたところ、投信は7割近くが把握していると答えた。投資経験別では、投資経験が1年未満の人はおよそ5人に1人が「把握できていない」状況にあることが明らかになった。
費用を「よく把握している」と「ある程度把握している」の合計が最大だったのはラップ口座だった。外貨建て保険については商品性による大きな差はみられなかったが、投信やラップ口座に比べて費用を把握していると答えた人の割合は少なかった。
(QUICK資産運用研究所)