年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が「ESG投資」を始めて約1年。株式市場での銘柄選びだけでなく、環境配慮などのESGは企業経営の重要テーマのひとつになっている。QUICKが15日にまとめた8月の短期経済観測調査(QUICK短観)によると、ESGを具体的に実践している企業と、特に取り組んでいない企業の割合はほぼ半々という結果になった。
8月QUICK短観は上場企業361社が回答。このうち296社が「ESG」への取り組みに関する特別質問に回答した。調査期間は8月1日~12日。
ここ1年間で「ESG」に具体的に取り組んた企業は138社と全体の47%。「関心はあるが特に取り組みはしなかった」との回答が44%(130社)で、「ESGに関心がない」が9%(28社)で、2つ合わせた「取り組まなかった」企業は53%だった。
具体的に実践している企業にその内容を聞いたところ、「E(環境分野)、S(社会貢献)、G(企業統治)のすべて」との回答が21%(63社)と最も多かった。次いで、「SとGの2つ」が6%(18社)、「Gのみ」が5%(14社)と続いた。E、S、Gのそれぞれの分布をみると、Gに取り組んだ企業が78%(107社)と最も多く、Sが75%(104社)、Eが69%(95社)となった。
企業の中には、従来からESG対応に取り組んでいる企業も多く、中期経営計画においても経営の基本方針に定めている会社やE、S、Gのそれぞれを改善する企業もみられている。
※QUICK端末では、QUICK短観の業況判断DI、自社株判断DI、円相場判断DIなど各種ヒストリカルデータをダウンロードできます。