QUICK資産運用研究所=西田玲子、西本ゆき
ネット証券が投資信託の販売手数料を無料化する動きが広がり、販売額(買い付け金額)ランキングに異変が起き始めたようだ。取り扱う投信2600本以上の販売手数料を16日からすべて無料にした楽天証券では、国内株式ファンドのランキングで「東京海上・ジャパン・オーナーズ株式オープン」(49311134)が初日のトップに躍り出た。日々の順位変動は株式相場の値動きなどとも関係するため、理由を特定することはできないが、手数料無料化が影響した可能性はありそうだ。
楽天証券は同社のサイトで投信の販売額ランキングをデイリー(日次)と週間、月間ベースで公表している。「ジャパン・オーナーズ株式」は今月9~13日の週間ランキングで圏外、11月の月間順位は10位だった。これが16日に首位、17日も5位に入った。
これまで楽天証券で同ファンドを購入する際には2.2%(年率・税込み)の販売手数料がかかっていたが、16日付の受け付け分からゼロになった。もともと国内株式型の中でも好成績のファンドとあって、手数料無料化が躍進のきっかけになったと考えられる。
楽天証券の担当者は「これまで手数料があることで避けられがちだった良質なファンドが、無料化によって正当に選ばれるようになったのは個人の資産形成においても意味のあること」とコメントしている。楽天証券以外にもネット証券で投信の販売手数料を無料にする動きが相次いでおり、今後は投資信託市場全体で売れ筋ファンドの変化や資金流入額などへの影響が注目される。