金融サービスの400F(フォーハンドレッド・エフ、東京・中央)は16日、お金に関する悩みをチャットで専門家に相談できるプラットフォーム「お金の健康診断」を楽天証券向けに提供すると発表した。利用者は楽天証券が認定するIFA(独立系金融アドバイザー)とオンラインでつながり、お金の悩みを無料で相談できる。楽天証券のホームページ上で26日からサービスを開始する。
■お金の悩み、楽天認定のIFAが助言
「お金の健康診断 for 楽天証券」の新サービスは、楽天証券に口座を持つ顧客以外も利用できる。困りごとや基本情報を入力するだけで複数のIFAからアドバイスがもらえたり、相談したいテーマに合ったIFAを指名したりして、そのままオンラインチャットでのやり取りが可能だ。利用者にとっては、楽天証券が厳格に審査したIFAに相談できるという安心感もある。
楽天証券の決算説明資料によると、2020年12月末時点の契約IFAは1555名(102社)。これまでIFAの集客は一般に既存顧客からの紹介やセミナーがメインだったが、今回のオンラインマッチングの導入で新しいチャネルが生まれる。登録IFAは楽天証券の顧客を中心に投資意欲が高い層にアプローチしやすくなり、楽天証券の認定を受けた実績やそれぞれの得意分野をアピールできる。
■IFA経由の口座が増加、稼働率向上に期待も
楽天証券のIFA経由の顧客口座数は、20年12月末時点で5万1177口座(前年同期比27.3%増)。預かり資産残高は6639億円(同35.2%増)と、いずれも右肩上がりに増えている。顧客1人あたりの預かり資産はオンライン口座の6.6倍にのぼるもようで、IFA経由の顧客が増えれば預かり資産全体の積み増しにつながる可能性もある。
また、楽天証券が抱える課題のひとつがNISA(少額投資非課税制度)口座などの稼働率の低さ。例えば積み立て型のつみたてNISA口座数で楽天証券は国内3割のシェアを占めるが、稼働率は64.3%にとどまる。口座を開設したもののあと一歩が踏み出せない人に向け、IFAとのマッチングを通じて前向きに取り組めるよう後押しする効果も期待される。
■中村社長「気軽に相談できる環境づくりを」
「お金の健康診断 for 楽天証券」はIFA側が相談件数などに応じて利用料を支払い、利用者は無料で相談できる仕組み。一方、顧客がIFA経由で楽天証券に口座を保有する場合は、金融商品取引にIFA口座専用手数料が適用される。
400Fの中村仁社長は楽天証券との連携に関連して、「日本でもお金のことを気軽に、前向きに相談できる環境をつくっていきたい」と語った。