NQNニューヨーク=横内理恵
米投資会社ブラックストーン・グループ副会長で、ウォール街のご意見番として知られるバイロン・ウィーン氏が6日、年初恒例の「びっくり10大予想」の2020年版を公表した。※参考記事:みずほ証券のびっくり予想(2019/12/30配信)
米景気は減速するものの、トランプ大統領が所得税減税を含むあらゆる経済政策を繰り出して景気を支えると予想。米連邦準備理事会(FRB)の利下げや投資意欲の盛り上がりなどを背景に米株式相場の上昇は続くと予想する。米中貿易協議については「最終合意はない」。トランプ大統領は弾劾罷免を免れるものの、裁判の過程であらわになる情報に嫌気が差し、一部の支持者や無党派層が議会選挙で民主党支持に回るとみる。中東情勢の悪化が原油輸送の要衝であるホルムズ海峡の閉鎖につながる事態がありうるとして、原油相場については一段の上昇を見込むという。
- S&P500指数は年内に3500超に上昇するが、たびたび5%を超える調整局面も
- 米景気は市場予想より弱いが後退せず。FRBは1%まで利下げ
- 需給の緩みから米長期金利は2.5%近辺まで上昇
- 米中交渉で中国の知的財産権侵害を抑制する第2段階の包括的な合意はなし
- 米議会選挙で民主党が上院の議席の過半数に
- 原油価格が1バレル70ドルを超える水準に上昇
- 英国が有利なブレグジットに成功し、英株高とポンド高に
- ハイテク大手に対する政治的、社会的な風当たりが強まりアップルなどのFAANG銘柄が相場全体に劣後
- 小型機「737MAX」の出荷が再開され、ボーイング株が相場のけん引役に
- 主要企業が開発を取りやめ、自動運転の実現が先送りに
ウィーン氏のびっくり予想は今年で35回目。50%以上の確率で発生するとみるシナリオを挙げており、独自の視点が関心を集める。18年からはブラックストーンのプライベート・ウェルス部門チーフ投資ストラテジスト、ジョー・ザイドル氏と2人で予想している。
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