QUICKコメントチーム=片平正二
ニューヨーク連銀が7日、レポ取引で金融市場大量の資金を供給した。翌日物のレポ取引で639億ドル、2週間物で350億ドルを供給し、合計で989億ドルもの資金が供給されたことになる。翌日物への応札は予定水準を下回ったものの、2週間物への需要が強く、411億ドルの応札があった。応札額が予定額を上回るのは2019年12月16日以来、3週ぶりのこととなる。
著名金融ブログのゼロ・ヘッジは久々のオーバーサブスクリプションを受けて「米連邦準備理事会(FRB)が浮揚政策を継続するため、総額約990億ドルを注入したことを意味し、レポ市場は依然として麻痺状態にあることを確認した」と指摘。さらに「FRBがレポ市場から流動性を引き出そうとしたり、バランスシート(B/S)の収縮を遅らせるという試みは失敗に終わるだろう。また、パウエル議長は、短期国債の貨幣化という量的緩和策(QE4)を通じて流動性を供給するだけでなく、2500億ドル台のレポに依存し続けており、レポ市場がFRBの人質になっていることも示唆している」とし、「FRBが毎月1000億ドル規模のペースでB/Sを拡大し続ける限り、株式市場のメルトアップは続くだろう」と予想。レポ市場で資金が逼迫しても、株式市場はステルスQEを好感して堅調な展開が続くとみていた。
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