QUICKコメントチーム=片平正二
米連邦準備理事会(FRB)の金融調節を担うニューヨーク連銀が14日、レポ取引を通じた金融市場への大規模な資金供給を今後も続ける方針を示した。16日以降は2週間物で350億ドルの資金を続ける見込みだが、2月4日以降は350億→300億ドルに減額される。年明け後の大規模な資金供給にも関わらず、FRBのバランスシートは10日時点で4兆1495億ドルとなり、前週から241億ドル減少したばかりだった。
著名金融ブログのゼロヘッジは、「誰もがしぶしぶ認めたか否かに関わらず、FRBのレポと量的緩和(QE)第4弾が2019年末の米株高の原因とみられる今、トレーダーはきょう発表されたレポのスケジュールに注目し、パウエル議長が示唆したようにFRBが資金供給の削減を始めようとしているのか見極めようとしている」と指摘した。
2月からは既存のものより小規模なレポ取引に移行しただけで、月間では合計200億ドル減少するだけとみられる。しかし「ステルスQE」の期待がくすぶる中、3月、そして4月と5月と同じペースで減少が続くようなら、市場が「ステルスQEが一服し、いよいよテーパリング開始か」と過剰反応する可能性もある。
※QUICK Market Eyes®はトレーダーやディーラー、運用担当者の皆さまに向けたQUICK独自のマーケット・コメントサービスです。日米の個別株から債券を含めた先物市場まで幅広くカバー。証券会社や機関投資家など運用・調査の現場への取材を通じて得た専門性の高い金融情報を提供します。