QUICK Market Eyes=片平正二
18日の米国市場でアップルが反落し、1.83%安の319.00ドルで終えた。この日のダウ工業株30種平均の下落寄与度トップで、指数を40ドル押し下げた。17日夕に20年1~3月期の売上高見通し(630億~670億ドル)が達成できない見込みと発表したことで、警戒する動きが出て一時は下落率が3%を超えた。ただ売り一巡後は下げ渋り、アップル自体へのアップル・ショックの動きは限定的だった。
スカイワークス・ソリューションズやブロードコム、ルメンタム・ホールディングスなどアップルのサプライヤーの半導体関連銘柄が弱く、フィラデルフィア半導体指数(SOX)は1.40%安で終えた。
■アナリストの強気は崩れず
QUICK FactSet Workstationによれば、アップルをカバーするアナリスト(41社)のうち、今回の下方修正を受けて投資判断を引き下げたのはアトランティック・エクイティの1社、目標株価を引き下げたのはDAダビットソン、カナコード・ジェニュイティの2社だけだった。アナリストの多くは強気で、ウェドブッシュは17日付のリポートで「長期的な第5世代移動通信システム(5G)スーパーサイクルのテーマからアップルに楽観的だ」と指摘。エバコアISIも同日付のリポートで「アップルの顧客はアップル以外の製品を購入する可能性が低い」などとし、それぞれ投資判断の買い(アウトパフォーム)を維持していた。
■今年の年末商戦期に影響なければ株安も限定的?
またQUICK FactSet Workstationのデータを確認すると、アップルの四半期売上高のコンセンサストレンドで1~3月期の市場予想が足元で629億ドルに低下していることが分かる。今後のサプライチェーンの動向などで従来予想(630億~670億ドル)よりさらに切り下がることが予想されるが、4~6月期、7~9月期は反動による増加が期待される。今年は5G対応の新型iPhoneが発売される見込みで、需要期である10~12月期の売上高見通しに大きな影響がなければ株安の流れも一服しそうだ。
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