NQNニューヨーク=張間正義、写真=Scott Heins/Getty Images
25日の米株式市場で景気敏感とされる銀行株や輸送株などで構成する株価指数の「調整局面」入りが相次いだ。新型コロナウイルスのまん延で、世界的に景気下押し圧力が強まるとの懸念が高まった。米国では直近高値から10%超安となると調整局面入り、20%以上下げると弱気相場入りとみなされる。
■主な株価指数の直近高値からの下落率
KBW銀行株指数 | ▼12.8% |
フィラデルフィア半導体株指数(SOX) | ▼11.8% |
ダウ輸送株平均 | ▼11.0% |
FANGプラス(フェイスブック、アマゾン・ドット・コム、ネットフリックス、アルファベットなど10銘柄程度の大型ハイテク株で構成) | ▼10.4% |
ダウ工業株30種平均 | ▼8.4% |
ナスダック総合株価指数 | ▼8.7% |
安全資産とされる米国債が買われ、長期金利の指標となる米10年物国債利回りは1.30%と過去最低を更新。金利低下による利ざや悪化懸念から銀行株で構成するKBW銀行株指数は前日比4.5%安となり、1月2日に付けた直近高値(114.11)から13%下落した。
旅行や出張の自粛で航空需要が減少するとの懸念から、アメリカン航空グループやデルタ航空など空運株が下落。国際貨物量が減るとみてフェデックスやUPSなど物流株も大幅に下げている。ダウ輸送株平均は1月16日に付けた直近高値から11%下落した。
主な半導体株で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は25日に大幅に4日続落し、19日に付けた過去最高値を11.8%下回った。スマートフォンなどのサプライチェーン(供給網)が混乱するとの懸念が売りを誘った。
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