QUICK Market Eyes=片平正二
日銀が2日、上場投資信託(ETF)の買い入れを実施したもよう。きょうの前場のTOPIXは前日比1.11%高と朝安後はプラス圏で終えていた。日銀のETF購入ルールいついて市場では「TOPIXが前場をマイナスで終えた午後に買い入れる」が暗黙知。異例の対応に動いた可能性が出ており、市場関係者がざわついている。
■総裁談話に合わせた?
日銀はこの日、総裁談話を発表し「最近の内外金融資本市場では、新型コロナウイルス感染症の拡大により経済の先行きに対する不透明感が強まるもとで、不安定な動きが続いている。日本銀行としては、今後の動向を注視しつつ、適切な金融市場調節や資産買入れの実施を通じて、潤沢な資金供給と金融市場の安定確保に努めていく方針である」との見解を示していた。金融市場の安定に向けて積極的なETF買いに踏み切ったのなら、市場に安心感を与えそう。
きょうの立会外取引で、日銀がETF買いを実施した日に大口約定がみられるETF225(1320)、上場225(1330)、MXS225(1346)、225投信(1321)で大口約定が確認できた。金額は2月28日(703億円)の時よりも1.4倍ほど多く、全体の規模も1.4倍ほど(984億円)に増えている可能性がありそう。
■好感する関係者
トレーダーの間では「イレギュラーなETF買い入れに動いていてもおかしくない地合いだった。粋な計らいだ」(外資系証券)、「新型コロナ対策、黒田サービスだね。どうせなら、特定のETF1銘柄に絞ったりすれば日銀のETF買いが入っているのかどうか、分かりづらくなるかも?」(市場筋)との見方が出ていた。関係者の試算では最近の買い入れ規模に比べ増額していた可能性もあるという。正式な買い入れの実施状況は日銀が今夕に発表する。