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コロナ耐性のテーマ株を探る―衛生用紙にディフェンシブ性の側面

記事公開日 2020/3/11 18:07 最終更新日 2020/3/11 18:12 テーマ株 新型コロナウイルス 新型肺炎 衛生用紙

11日の日経平均株価は反落した。下げ幅は前日比451円と大きく、新型コロナウイルスの感染拡大による不透明感が依然としてボラティリティを生み出している状況だ。日々の相場が十把一絡げで上下に動いているように見えがちだが、テーマ株に視線を移すと違った景色も見える。

■コロナ耐性のテーマ株

「QUICK Knowledge 特設サイト」では一定期間にTOPIXをアウトパフォームしている(あるいはその逆の)テーマをひと目で確認できるコンテンツ、“テーマ株ランキング~物色の風向き”を展開している。最近の動向としてアウトパフォームが顕著なのが「衛生用紙」。ティッシュペーパーやトイレットペーパー、紙タオル、紙オムツ等の衛生用紙の製造を手掛ける。

対象となる銘柄は花王(4452)、ユニ・チャーム(8113)、大王製紙(3880)、特種東海製紙(3708)、日本製紙(3863)だ。この5銘柄を1つにまとめバスケット化してTOPIXと対比したのが以下のチャート。

衛生用紙バスケットのチャート

※「衛生用紙バスケット(青)」はTOPIX(赤)ほど下げがきつくない(2019年11月29日を起点とした)

■コロナ特需+原油安が材料?

新型コロナウイルスの感染が発生・拡大する過程では似たような値動きをしていたが、ここにきて「衛生用紙」バスケットは下げ渋る様子を見せている。マスクが品薄となって久しいだけに、最近の株価動向を説明するには「マスク」はやや説得力に欠けるか。ユニ・チャームについては3月上旬にある外資系証券が投資判断を引き上げていた。「インドの利益成長の加速とブラジルでの黒字転換が加わる2020年12月期は原料安の追い風もあり、原料高と物流費の増加で減益に沈んだ前期の反動で2桁の増益になる」と指摘していたようだ。

もちろん新型コロナによるマスクや除菌関連の特需も業績に寄与すると思われるが、直近の原油安も業績面の材料として意識され始めているのかもしれない。大荒れのマーケットにあってディフェンシブ性の側面を帯び始めたといえそうだ。

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著者名

QUICK Money World 岩切 清司

1998年に株式会社QUICKに入社。2002年から金融市場を担当するライター。06年からは日本経済新聞社で記者職に就く。13年から3年半にわたり日経QUICKニュース社のニューヨーク支局に駐在。帰国後、20年から「QUICK Money World」を担当し個人投資家向けの投資情報発信や金融教育事業に携わる。


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