11日の日経平均株価は反落した。下げ幅は前日比451円と大きく、新型コロナウイルスの感染拡大による不透明感が依然としてボラティリティを生み出している状況だ。日々の相場が十把一絡げで上下に動いているように見えがちだが、テーマ株に視線を移すと違った景色も見える。
■コロナ耐性のテーマ株
「QUICK Knowledge 特設サイト」では一定期間にTOPIXをアウトパフォームしている(あるいはその逆の)テーマをひと目で確認できるコンテンツ、“テーマ株ランキング~物色の風向き”を展開している。最近の動向としてアウトパフォームが顕著なのが「衛生用紙」。ティッシュペーパーやトイレットペーパー、紙タオル、紙オムツ等の衛生用紙の製造を手掛ける。
対象となる銘柄は花王(4452)、ユニ・チャーム(8113)、大王製紙(3880)、特種東海製紙(3708)、日本製紙(3863)だ。この5銘柄を1つにまとめバスケット化してTOPIXと対比したのが以下のチャート。
■コロナ特需+原油安が材料?
新型コロナウイルスの感染が発生・拡大する過程では似たような値動きをしていたが、ここにきて「衛生用紙」バスケットは下げ渋る様子を見せている。マスクが品薄となって久しいだけに、最近の株価動向を説明するには「マスク」はやや説得力に欠けるか。ユニ・チャームについては3月上旬にある外資系証券が投資判断を引き上げていた。「インドの利益成長の加速とブラジルでの黒字転換が加わる2020年12月期は原料安の追い風もあり、原料高と物流費の増加で減益に沈んだ前期の反動で2桁の増益になる」と指摘していたようだ。
もちろん新型コロナによるマスクや除菌関連の特需も業績に寄与すると思われるが、直近の原油安も業績面の材料として意識され始めているのかもしれない。大荒れのマーケットにあってディフェンシブ性の側面を帯び始めたといえそうだ。
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