金(ゴールド)関連の投資信託に資金がじわじわ流入している。新型コロナウイルス感染拡大の「第2波」への懸念が強く、安全資産として金の需要が拡大。金価格の上昇傾向が続いていることが背景にある。先行き不透明感が強まるなかで、株式など他の資産と値動きが異なる金関連の投信には分散投資先としても関心が集まっている。
ニューヨーク金相場はコロナショックで下落した後、3月下旬以降は右肩上がりとなっている(図1)。金関連の投資信託も運用が好調で、多くのファンドは年初来リターンが2ケタ台のプラスだ。金関連の国内公募追加型株式投信(ETF、ラップ専用を除く)を年初来の資金流入額(6月24日時点、推計値)が大きい順にランキングしてみた(図2)。
資金流入額1位は、「三菱UFJ 純金ファンド(愛称:ファインゴールド)」(03311112)の66億円。6月は24日時点ですでに23億円を超す資金が流入し、5月の月間(7億円)の3倍以上に膨らんでいる(図3)。月次ベースでは2011年2月の設定後で最も多い。このファンドは国内に保管される金の現物を裏付け資産とするETF(上場投資信託)に投資し、国内の取引所における金価格と同じ値動きを目指す。年初来リターンは15.2%のプラスだった。
3位の「ピクテ・ゴールド(為替ヘッジあり)」(4231111C)の純資産総額(残高)は6月24日時点で389億円にのぼり、上位10本中最大。年初来リターンは15.5%だった。
年初来リターンが最も高かったのは、9位の「ブラックロック・ゴールド・メタル・オープンBコース」(48312952)の22.5%だった。このファンドの投資対象は、金の採掘や精錬などを手掛ける企業の株式。金鉱株は金価格と連動する傾向があるものの、値動きの振れ幅が相対的に大きいという特徴がある。(QUICK資産運用研究所=西本ゆき)
◆関連投信一覧(日本経済新聞電子版でチャートや運用実績、コスト、販売会社などが確認できます)