日興アセットマネジメントが運用する「財産3分法ファンド(不動産・債券・株式)毎月分配型」(02312038)は10日の決算で、1万口あたりの分配金を前月の40円から30円に引き下げた。2019年6月以来の引き下げで、03年11月に分配金の払い出しを始めてからの最低水準に並んだ。
同ファンドは03年8月に設定され、運用実績が15年を超える長寿ファンド。不動産投資信託(REIT)と債券、株式の3資産に分散投資しており、基本資産配分は、国内REIT25%、国内株式25%、海外債券50%としている。
10日時点の純資産総額(残高)は3643億円で、国内公募の追加型株式投資信託(ETF除く)のうち、「バランス型」(QUICK独自の分類)で2番目に大きい。資金流入は31カ月連続でプラスだが、運用益の落ち込みなどにより、残高は年初から360億円ほど減少した。同日時点の年初来リターン(分配金再投資ベース)は6.1%のマイナスだった。
日興アセットマネジメントは今回の分配金引き下げについて、「分配金の支払いによる基準価額の水準低下を抑え、また、今後も安定的な収益分配を継続するため」とした。
◇「財産3分法ファンド(不動産・債券・株式)毎月分配型」の分配金に関するお知らせ
(QUICK資産運用研究所=西本ゆき)
<金融用語>
分配金とは
投資家から預かった投資資金を運用しその収益を還元するというのがファンドの仕組みである。分配金とは、ファンドが生み出した収益のうち、決算日に投資家に還元するお金のこと。 分配の対象となる収益の源泉として、 (1) 株式配当、公社債利子などの配当等収益(インカムゲイン) (2) 株式等の有価証券の売買損益・評価損益(キャピタルゲイン) の2つがある。 分配金がどのくらい支払われるかは、ファンドマネージャー(運用会社)の裁量による。場合によっては分配をしないこともある。また、ファンドが生み出す収益は日々の基準価額に反映されているので、分配金という形で収益が還元されるかどうかについては、投資家側からみた有利不利があるわけではない。 なお、分配金が支払われる場合には、決算日の基準価額は通常、分配金支払いに伴う下げを反映したものになる。