楽天グループが提供する「ポイント運用 by 楽天PointClub」のユーザー数が200万人を突破した。今年1月に100万人を突破してから半年で利用者が倍増した。手軽に始められるポイント運用が、証券投資の入り口になりつつある。
ポイント運用はネット通販の利用などでたまったポイントを使って投資を疑似体験できるサービスだ。証券口座の開設は不要で、費用もかからない。ポイントを運用に回すようアプリを操作するだけで手軽に利用できる。投資されたポイントは株式や債券に分散投資するバランス型の投資信託に連動して増減する。
昨年12月からサービスを利用する男性会社員は「ポイントなら損しても気にならず、株式相場が下がったときには追加投資した。今後は実際に投信などの運用を考えたい」と話す。
サービスの本格始動は2018年10月。今年1月に利用者が100万人を超え、7月に入ると200万人に到達した。楽天の広報担当者によると「楽天グループ内のポイント愛好者への露出を大幅に増やしたことが功を奏した」と言う。楽天のサイトやアプリ上でポイント運用の案内を目に触れやすい位置にもってくることで、利用者の拡大につなげた。
新型コロナウイルスの感染拡大による巣ごもりや、今年3月の株価急落も追い風となり、ネット証券各社は新規の口座開設数が伸びている。楽天証券は今年3月、月間の新規口座開設数が16万4000口座に達し、過去最高を記録した。
ポイント運用で使う楽天ポイントは、楽天証券の口座内では投信の買い付けにも使える。「ポイント運用からの流入も口座開設が伸びているひとつの要因と考えている」(広報)という。投資家デビューの手始めにポイント運用を活用する流れが徐々に根付き始めている。