米抵当銀行(MBA)が8月12日発表した7日までの週間の住宅ローン申請件数は6.8%増と3週ぶりに増加に転じた(緑棒)。住宅ローンの金利が調査開始以来の最低水準に低下したことが支援材料となった。新型コロナウイルスの感染が再拡大したことで、米経済に対する慎重な見方が再燃し、30年固定の住宅ローン金利は前週の3.14%から3.06%へ低下した(赤線)。借り換え用の住宅ローン申請指数は前週比9%増え、1年前の同じ週よりも47%高くなった。購入用の住宅ローン申請指数も前週比2%増加し、1年前の同じ週よりも22%上昇した(水色線)。MBAの担当者は「購入用ローンの申請指数の力強い伸びは住宅購入市場にとって前向きなニュースだ」と評価する一方、「労働市場の回復鈍化と住宅在庫の品薄状態が今後数カ月の懸念材料だ」と慎重だ。低金利を追い風に住宅関連が米景気の回復をリードするという超楽観的なシナリオとは、少し距離をとったほうが良いのかもしれない。
(QUICK Market Eyes 丹下智博)