米国の株安が止まらない。その背景に諸説ある中でSMBC日興証券の野地慎氏は9日付けのリポートで、足元のハイテク株の下落、コモディティの調整等について、「ドルの実質金利の低下トレンドが終了したことが主因と考えられる」と指摘する。ユーロドルの下落も含め、全ては「ドル実質金利低下トレンドの終了」で説明でき、ドル実質金利への感応度が最も高い金価格が安全資産として買われることがないことも、その証左であるとも述べている。その上で「世界中の市場参加者は米国債市場に注目すべきであり、とりわけドル実質金利の帰趨に関心を寄せるべき」との考えを示した。
そのドル実質金利に強い影響を及ぼすのは「FedのQE(需要)と米国債入札(供給)」のバランスだと指摘。向こう3カ月の供給については明らかになっていることから、その間「実質金利の『上昇』は示唆されていない」という。ナスダック総合指数の買われ過ぎの修正が続く可能性はあるが「株高トレンドの瓦解(下落トレンドへの転換)は想像し難い」という。
試金石となるのは「11月の四半期定例入札における『増発』に伴う米国債需給緩和局面」であると指摘。株価は一旦回復する可能性はあるものの、11月には米大統領選も予定されていることと相まって、「やや大きめの調整というシナリオの蓋然性が高い」とみていた。(QUICK Market Eyes 池谷信久)