※スラックの株価
9日の米国市場でビジネス対話アプリを手掛けるスラック・テクノロジーズ(@WORK/U)が急反落し、13.91%安の25.24ドルで終えた。一時は下落率が17%を超え、4月13日以来、4カ月ぶりの安値圏に沈んだ。
8日の大引け後に20年5~7月期(2Q)決算を発表し、売上高が48%増の2億1586万ドル、1株当たり損益(EPS)が0.13ドルの赤字となった。前年同期は0.98ドルの赤字。市場予想はそれぞれ2億910万ドル、0.14ドルの赤字で、実績は市場予想より強かった。
決算資料で共同創業者のスチュワート・バターフィールド最高経営責任者(CEO)は「2Qには長期的に見てビジネスの最も重要な要因である優良顧客が前年比で30%増加した。この好調さの要因は(メールに代わるビジネスコミュニケーション・ツールの)スラック・コネクトだった。現在、5万2000人を超える優良顧客がコネクトを使っている」などとの見解を表明し、事業の好調さをアピールしていた。
■ゴールドマン、モルガンが目標株価を引き下げ
ただ20年8~10月期(3Q)の業績見通しで売上高を2億2200万~2億2500万ドルのレンジで見込み、EPSを0.14ドルの赤字~0.13ドルの赤字で見込んだことが嫌気された。市場予想はそれぞれ2億2430万ドル、0.16ドルの赤字で売上高の中央値(2億2350万ドル)は市場予想をやや下回る保守的なものだった。
先行きに慎重な見方が示される中、決算発表後に各ブローカーからは目標株価の引き下げが相次いだ。モルガン・スタンレーは29ドル→27ドル、ゴールドマン・サックスは31ドル→27ドル、カナコード・ジェニュイティは38ドル→32ドルなどとし、QUICK FactSet Workstationによれば26社の目標株価の平均値は31.18ドルとなり、8月末の平均値(34.70ドル)から10%低下した。(QUICK Market Eyes 片平 正二)