(2020年9月14日、8時25分更新)
9月11日に米商品先物取引委員会(CFTC)が公表した8日時点の建玉報告では投機筋が米株関連のポジションで動きを見せてたことが明らかになった。米株式市場でこれまで相場上昇をけん引してきたハイテク株に売りが殺到。株価指数が調整色を強めた中でE-Mini S&P500先物で投機筋は買い建玉を減らすのと合わせ売り建玉も減らすなど、全体的にポジションを整理したようにも見える。
またVIX先物でも同様に投機筋は買い・売りの建玉を減少させていた。相場急変に対し持ち高を変化させているようだが、売り残の減少は先々の波乱要因がインパクトをやや薄めると見ることもできそうだ。先物の買い戻しにで原指数のVIXが急騰する可能性は低いかもしれない。
もう1つ注目すべきは同じE-MiniでもNASDAQ100指数先物の建玉だ。投機筋は売り建玉を大幅に増やし5月19日以来、4カ月ぶりにネットショート(売り越し)に転じた。9月第2週にナスダック総合指数は週間で4.06%安で続落し、下落率は3月第3週(12.63%安)以来、半年ぶりの大きさを記録した。ダウ工業株30種平均が週間で1.66%安となったのと比べて大きくアンダーパフォームし、主力ハイテク株に対する売り圧力が強まる中、Emini-ナスダック100株価指数先物の売りポジションが増加傾向にあることが響いたと言えそうだ。
米株式相場とともに軟調な展開となったのが原油先物相場だった。投機筋は既に買い建玉を先行して減少させてきた。一方で足元ではやや売り残が増えた。このまま売りを積み上げていくのか、注視したいところだ。