※ソニーフィナンシャルホールディングスの尾河眞樹・執行役員 兼 金融市場調査部長/チーフアナリスト
今週は米連邦公開市場委員会(FOMC)、日銀金融政策決定会合、英中銀金融政策委員会(MPC)が開催される。特に注目されているのはFOMCだ。
先週の理事会で欧州中央銀行(ECB)があえて「通貨戦争を避ける」と判断したことや、足下米長期金利が再び低下傾向にあることを踏まえ、ソニーフィナンシャルホールディングスの尾河眞樹氏は「今回のFOMCではさほどハト派的なメッセージを発信する必要はなさそう」とみている。
■フォワードガイダンス?ドットチャート?
8月に臨時で開催されたFOMCでは、一定期間に平均で2%のインフレ率を目指すとの方針が示され、一時的にインフレ率が2%を超えることを目指しつつ政策を実施するするとした。
尾河氏は今回のFOMCではこのメッセージを補完するような内容になるとみており、「『フォーワドガイダンス』」という形で改めて緩和策を維持する方針をを示す可能性」や、「ドットチャートで今回から新たに加わる2023年までの政策金利見通しにおいて、2023年までゼロ金利政策を維持する方針を示すことも考えられる」と述べている。
もっとも今回は政策変更を発表する可能性は低いため、「相場への影響は限定されよう」とみている。仮にFOMCを受けて米長期金利が低下し、ドル円が一段と下落するようであれば、「日銀も対応が必要」あるものの、「基本的にはドルも円も軟調な地合いは変わらず、ドル円に明確なトレンドは出にくい」と述べていた。(QUICK Market Eyes 池谷 信久)