投機筋の売りポジションの積み上げが止まらない。9月25日に米商品先物取引委員会(CFTC)が公表した22日時点の建玉報告でE-MINI NASDAQ100指数先物の売り建玉が前の週から約4割増えた。2週連続の急激な増加で過去1年で最も膨らんだ状態に。買い建玉も増加したものの小幅にとどまり、差し引きでは売り越し幅の拡大が続いた。
原指数のNASDAQ100指数は1万1000を挟んで一進一退の展開が続いている。相場の上値を抑えている要因の1つに投機筋の先物売りの継続があるかもしれない。ただ、投機筋はハイテク株比率の高い指数先物だけに売りポジションを積み上げているようだ。以下はE-MINI S&P500種株価指数先物におけるポジション。
こちらでは買い建玉を減らしつつ、それ以上のペースで売り建玉を縮小させた。差し引きでは買い越しとなっている。また「恐怖指数」と呼ばれるVIX指数先物で投機筋は目立ったポジションの変化を見せていない。同時にポジションの規模そのものも決して大きいとは言えない水準で推移している。
デリバティブの世界は複雑なだけに公表されるデータだけで全てを見通すことはできないため割り引く必要がある。それでも、投機筋が米株すべてに置いて「下げ相場を想定」したようなポジションにはまだ至っていないと言えそうだ。