2018年1月に積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)が始まってから約2年半が経過した。コロナショックによる相場急落にもめげずコツコツ投資を続けた場合、どれくらいの運用成果が出ているのか個別ファンドの8月時点の損益を調べてみた。
■「国内株式型」、39本中38本が含み益
18年1月から20年8月までの32カ月間、年間の非課税枠40万円を最大限活用できるように毎月末に3万3333円購入したと想定して計算した。対象は18年1月末時点につみたてNISA対象商品だった140ファンド(ETF除く)に絞った。
20年8月時点で含み益になったのは、140本中137本にのぼった。投資対象別に見てみると、「国内株式型」(QUICK独自の分類)では、39本中38本が含み益だった。
■利益額の首位は「ひふみプラス」
国内株式型を利益額が大きい順に並べてみると、首位はレオス・キャピタルワークスが運用する「ひふみプラス」の約12万6000円。積み立て総額106万円ほどのお金(投資元本)が約2年半で118万円程度まで増えた計算だ。2位は同じマザーファンドで運用し、レオス・キャピタルワークスが直接販売する「ひふみ投信」。
上位にはアクティブ型(積極運用型)に加えて、日経平均株価に連動する運用成果をめざすインデックス型(指数連動型)が並んだ。日経平均株価はコロナショックで一時大きく値下がりしたものの、その後回復し、8月時点でコロナ禍前の水準にほぼ戻った。
定期的に定額を買い付ける積み立て投資は、投資期間中の値動きの振れ幅が大きいほど底力を発揮する。今回のコロナショックで大きく値下がりした際も、安い時に口数を多く買えたため、相場が回復する局面で利益が押し上げられた。
8月末時点で唯一、マイナスのリターンだったのはニッセイアセットマネジメントが運用する「ニッセイ日本株ファンド」だった。独自の運用モデルを使って、東証1部上場銘柄の中から割安な銘柄に投資するアクティブ型のファンドだが、他の国内株式型と比べてコロナショック後の戻りが鈍かった。
「国内株式型」以外についても、投信分類別で利益額の大きい順にランキングにまとめた。▲はマイナス・損失。
(QUICK資産運用研究所=望月瑞希)
今日、日経平均が3万円突破するような右肩上がりの相場だから、積立投資の妙味が増した状況ですね。元本も右肩上がりなので、資産増加ペースも右肩上がりになりやすく、投資で一番重要な保有継続するメンタルが維持されやすいのが良い。特に米国株が強い印象です。