【日経QUICKニュース(NQN)内山佑輔】10月5日からノーベル賞の発表が始まる。昨年はリチウムイオン電池の開発で化学賞を旭化成(3407)の吉野彰名誉フェローが受賞し、同社株や田中化学研究所(ジャスダック、4080)など関連銘柄に物色の矛先が向かった。今年も生理学・医学賞などに日本人の有力候補がおり、関連銘柄に関心が集まりそうだ。
■日本人有力候補者
米調査会社クラリベイト・アナリティクスは、日本人2人を受賞候補として挙げている。1人は生理学・医学分野で、がん治療で先進的な研究を手掛けてきた東京大学の中村祐輔名誉教授だ。中村氏はオンコセラピー・サイエンス(マザーズ、4564)の創業者の1人で、筆頭株主でもある。
もう1人は化学分野で、小さな分子が自然と組み上がって特定の構造を作る「自己組織化」の研究を手掛けてきた藤田誠・東京大学卓越教授だ。自己組織化ペプチド技術を用いた医療材料を開発しているスリー・ディー・マトリックス(ジャスダック、7777)などが関連銘柄として連想されよう。
生理学・医学賞では、過剰な免疫反応を防ぐ「制御性T細胞」を発見した大阪大学の坂口志文教授も有力候補だ。制御性T細胞に関連した抗体などの製品を扱う医学生物学研究所(ジャスダック、4557)に関心が向かいそうだ。
東京農工大学の遠藤章特別栄誉教授も注目度が高い。三共(現・第一三共、4568)の研究員時代に血中のコレステロールを下げる物質「スタチン」を発見した。細胞内の「小胞体」と呼ぶ器官が異常なたんぱく質を分解するなどの仕組みを解明した京都大学の森和俊教授も、前年に続き注目されている。この仕組みは心臓疾患や糖尿病といった様々な病気に関わるとされ、医薬品株などが広く注目される可能性が高い。
物理学賞では筒状炭素分子「カーボンナノチューブ」を発見した名城大学の飯島澄男終身教授が有望との声が聞かれる。カーボンナノチューブは日本ゼオン(4205)が量産しているほか、東レ(3402)が原料に用いて新たな素材などを開発している。
文学賞は毎年おなじみの村上春樹氏が今年も候補。村上氏と同様に海外での翻訳が多く評価の高い多和田葉子氏も有望で、丸善CHIホールディングス(3159)や文教堂グループホールディングス(ジャスダック、9978)が関連銘柄となる。

■発表スケジュールと関連銘柄
今後の発表スケジュールをまとめた。発表時刻はすべて日本時間。
発表時刻 | 発表される賞 |
5日 18:30 | 生理学・医学賞 |
6日 18:45 | 物理学賞 |
7日 18:45 | 化学賞 |
8日 20:00 | 文学賞 |
9日 18:00 | 平和賞 |
12日 18:45 | 経済学賞 |
※公式ホームページより
■主な関連銘柄
コード | 銘柄名 | 関連事項 |
4564 | OTS | 東京大の中村祐輔名誉教授が創業者 |
7777 | 3DM | 自己組織化ペプチド技術用いた製品開発 |
4557 | 医学生物 | 制御性T細胞に関連した製品開発 |
4568 | 第一三共 | 東京農工大の遠藤章特別栄誉教授が研究員時代にスタチンを発見 |
4205 | 日本ゼオン | カーボンナノチューブを量産 |
3402 | 東レ | カーボンナノチューブ用いた素材開発 |
3159 | 丸善CHI | 書籍販売 |
9978 | 文教堂GHD | 書籍販売 |