9月末時点の国内公募投資信託の純資産総額(残高)はQUICK資産運用研究所の推計で126.51兆円(前月末比0.35兆円増)となり、2カ月連続で過去最高を更新した。日銀が大規模な金融緩和策の一環で買い入れている上場投資信託(ETF)の残高増が主な要因。
■ETF残高、過去最高を更新
ETFの残高は9月末時点で47.89兆円(同0.79兆円増)となり、こちらも2カ月連続で過去最高を更新した。日銀が公表した資料によると、9月は5800億円程度を買い入れており、同月末時点の残高は簿価ベースで34.19兆円にのぼる(図表参照)。
■ETF以外の残高は前月末比で減少
一方、ETF以外の投信残高は9月末時点で78.61兆円となり、前月末比で0.44兆円減った。世界の主要な株式相場が軟調となり、運用益が減少したことが背景にある。9月は新規設定ファンドの「ティー・ロウ・プライス グローバル・テクノロジー株式ファンド」の為替ヘッジありの「Aコース」と為替ヘッジなしの「Bコース」に合計で1115億円の資金が流入するなど、新しいファンドを中心に資金が流入したが、残高の押し上げにはつながらなかった。運用が好調だった国内株式型のファンドからは利益確定の解約が継続し、資金が大きく流出した。
このところ「老後2000万円問題」などをきっかけに資産形成への関心が高まり、投信の役割は増しつつある。しかし、ETFを除く投信残高は長期で見て伸び悩んでおり、投信を活用した資産形成が本格的に広がっているとは言い難い。過去最高だった2015年5月末(88.11兆円)を上回るにはまだ時間がかかりそうだ。
(QUICK資産運用研究所=石井輝尚)