【日経QUICKニュース(NQN)矢内純一】ソニー(6758)は10月28日、2020年4~9月期連結決算を発表する。米国による中国の華為技術(ファーウェイ)への輸出規制で、ソニーの画像センサー事業の見通しがどうなるかが注目点だ。
■ソニー決算のポイント
・ファーウェイ規制強化でセンサー事業は下振れするか
・「PS5」発売は11月12日、収益計画への織り込みは
・エレキ事業はカメラを中心に復調か
4~6月期は営業利益が前年同期比1.1%減の2283億円だった。巣ごもりでゲーム需要が伸び、市場予想(1373億円)を大きく上回った。ソニー株は8月17日に8920円と、19年ぶりの高値を付けた。
ただ、株価はその後、失速した。米商務省がファーウェイへの禁輸措置を強化すると発表したためだ。ソニーはファーウェイにスマホ用の画像センサーを供給しており、今期のセンサー事業の営業利益見通し(1300億円)が下方修正されるのではないかとの懸念がくすぶる。「下振れを株価は織り込んでいる」(SBI証券の和泉美治シニアアナリスト)との声も出ているが、修正の有無や修正の度合いを見極める必要がありそうだ。
ゲーム事業は巣ごもり需要の一巡感が指摘される一方、新型ゲーム機「プレイステーション(PS)5」の発売を11月12日に控える。ゲーム事業の通期見通しに変化が生じれば、サプライズだ。ミラーレスカメラなどが好調なため、エレクトロニクス事業については回復が進んでいる可能性がある。
■2021年3月期の会社計画と市場予想
会社計画 | 市場予想 | |
売上高 | 8兆3000億円 | 8兆3226億円 |
営業利益 | 6200億円 | 6527億円 |
純利益 | 5100億円 | 5367億円 |
※市場予想はQUICKコンセンサス、10月22日時点、21社ベース
今期業績の会社計画は市場予想と比べてやや慎重だ。センサー事業の見通しをどう織り込むか。