【QUICK Market Eyes 片平 正二】28日の米国市場で恐怖指数のVIXが大幅に3日続伸し、20.77%高の40.28で終えた。4月23日以来、半年ぶりに40台に乗せて終えたことになる。
この日の米国市場では欧米での新型コロナウイルス(COVID-19)の感染再拡大が強まる中、リスクオフの展開に。S&P500指数は3.52%安で大幅に3日続落し、100日移動平均を下回って終えた。
米サスケハナ・フィナンシャルは28日付のデリバティブ戦略のリポートで「新型コロナは世界市場の主要なリスクとして、米大統領選挙を上回った」と指摘した。11月3日の米大統領選挙の先行きに不透明感があるものの、VIX先物12月限など期先が11月限を大きく下回っていることを踏まえ、「感染再拡大は常に警戒されていたが、投資家はその出現に驚いているようだ」とし、大統領選挙前にVIXが急騰したことに意外感があったと指摘した。
その上で、VIXは1990年以降、40を上回って終えたのは10回あったとしながら、「短期的にS&P500は高いが、その後、中期的には下落する」と指摘。2020年に2月下旬と6月上旬に2回このシグナルが発生したことを紹介しつつ、「S&P500指数は2月は翌月から11%以上下落し、6月は5%以上下落した」と指摘。足元のVIX上昇が翌月以降の株安の流れのシグナルになる恐れに警鐘を鳴らしていた。