投機筋が米国株に対して前向きな姿勢を強めているようだ。10月30日に米商品先物取引委員会(CFTC)が公表した27日時点の建玉報告で、E-MINI S&P500指数先物で売り建玉を減らした反面、買い建玉を増やしたことが明らかになった。これで買い越し幅は拡大し、2019年1月上旬以来およそ1年9カ月ぶりの水準に積み上がった。
※E-MINI S&P500指数先物の投機筋の差し引きポジションの推移
一方でE-MINI ナスダック100指数先物とVIX指数先物のポジションに大きな変化は見られなかった。米大統領選を目前に投機筋が下落リスクを想定している様子はないと言えそうだ。
投機筋は再び米超長期債先物の売りポジションを拡大させた。差し引きも売り越し幅が膨らんでいる。米大統領選で民主党のバイデン候補が勝利した場合に米長期金利が上昇するとの見方は根強い。投機筋のポジションもこれを反映している可能性もありそうだ。
為替市場では対ドルのユーロのポジションで買い建玉を減らす傾向が続いた。欧州における新型コロナウイルスの感染再拡大や欧州中央銀行(ECB)の追加緩和に対する思惑が交錯しておりユーロ相場の上値の重さも意識されているのかもしれない。
商品市場ではコーン先物の買い(ロング)建玉の積み上げは前週からさらに加速した。差し引きの買い越し幅は41万枚に達し、2018年5月以来およそ2年半ぶりの水準に達した。
大豆先物も買い越し幅の拡大基調が続いた。