三菱UFJ国際投信(MUKAM)は5日夜に「ブロガーミーティング」を開催した。このイベントはブログなどで自身の資産運用の内容や考え方を発信しているブロガーとの交流を目的に定期的に開いている。前回5月に続いて今回もビデオ会議システム「Zoom」を使い、2回目となるオンラインで開催。ブログやツイッター、ユーチューブなどで情報発信している34名が参加した。
■代田常務「資産形成の伴走者に」
冒頭では代田秀雄常務が同社の担う役割やブロガーへ向けた思いを述べた。つみたてNISA(積み立て型の少額投資非課税制度)が始まった2018年から資産形成に取り組む人口が急増してきたとし、同社が展開する低コストの「eMAXIS Slim」シリーズの残高が大幅に伸びていることに言及。「多くの人に豊かになっていただくために、これからも商品提供を通じて皆様と伴走していくことが私たちの使命と思っている」と強調した。参加したブロガーに向けては、「金融資産とともに、世の中に意見を発信する『知的資本』の形成も進められており、大変うらやましい」と語った。
■コスト削減を重要視、「裏話」も紹介
第一部では同社が運用するインデックス型(指数連動型)ファンドのパフォーマンスに影響を与える要因や足元の実績について、ファンドマネジャーの村松祐介氏とデジタル・マーケティング部の野尻広明氏が掛け合いで詳しく解説。大口の資金流出入があった場合の対応や、1日の取引件数、新興国での投資口座開設にまつわる苦労話など、普段は見えにくいファンドマネジャーの仕事内容やファンド運用の裏話にも触れた。
村松氏は「eMAXIS Slim」シリーズが目指す「業界最低水準の運用コスト」を実現するための取り組みも紹介。重要視しているコスト削減に向けて、①その売買は必要か②売買案は適切か③発注時の売買コストは適正か――の3点に日ごろから気をつけていると語った。
■つっこんだ質問、チャットで飛び交う
第二部の質問会では、チャットを通じて多くの質問が飛び交った。参加者からは「(売買コスト削減について)先物を使うことでコストが下がるロジックを教えてほしい」、「インデックス運用でもPython(パイソン)を使った自動売買システムは進んでいるか」、「在宅勤務で運用に何か困難だったことはあるか」などの質問がリアルタイムで書き込まれ、村松氏らが一つ一つ回答した。
事前に募集した質問では「『eMAXIS Slim』の適正な純資産総額はどの程度か」、「新しいファンドが出る予定はあるか」、「受益者還元型信託報酬率について、新しいテーブル設定は考えているか」、「(同じインデックス同士の)投信併合を検討しているか」など、投資ブロガーならではのつっこんだ質問も集まった。
■「88888」で閉幕、直後にブログ配信も
参加者からは「懇親会ができないのが残念」、「またリアル開催ができるようになるといいですね」などの感想が寄せられ、ブロガーミーティングの最後には拍手を意味する「88888」がチャットに多く書き込まれて幕を閉じた。
ブロガーの一部は、ミーティング中にツイッターで実況中継したり、直後にブログをアップしたりした。「インデックス運用が地味に大変と知った」、「やはり顔の見える運用会社は支持を集めやすい」、「濃密な時間だった」、「いつの日か(『eMAXIS』と『eMAXIS Slim』を)併合して受益者を喜ばせてほしい」といった書き込みがあった。
(QUICK資産運用研究所=西本ゆき、西田玲子)