【QUICK Market Eyes 弓ちあき】21年度の日本株の主要テーマとして立ち上がりつつあるのが環境関連の銘柄だ。菅義偉首相は12月4日、脱炭素に向けた研究開発を支援するため、2兆円規模の基金を創設する方針を示した。50年の温暖化ガス排出ゼロの目標達成に向け一段ギアを踏み込む。中でも自動車の二酸化炭素排出ゼロを目指す方針も明らかにしており、電気自動車(EV)導入に向けた支援策は一層の拡充が期待できそうだ。米国でも財政出動は環境関連分野に多く配分される可能性がある。
■電気自動車関連のテーマ株
QUICKテーマ株分析では「電気自動車関連」の過去75日の上昇率は21.57%(7日時点)と、TOPIX(東証株価指数、9.30%)を大きく上回っている。3日までの上昇率の首位は三井ハイテック(6966)で71.8%上昇、同社のモーターコアはトヨタ自動車(7203)のハイブリッド車(HV)「プリウス」に採用された実績を持つなど、EVを含めた環境対応車向けで高いシェアを誇る。同社開発の「MACシステム」と呼ばれるモーターコアの生産システムは油圧シリンダーで圧力をかけながら積層することが特徴で、反りの出やすい大径や薄板でも安心して生産できることが特徴だ。大径の駆動モーターを必要とするEV向けモーターコアでも高い品質の製品を作れることを強みとしている。
太陽誘電(6976)や村田製作所(6981)といった電子部品大手の手掛けるMLCC(積層セラミックコンデンサー)は電動車だと通常のガソリン車に比べ1.5倍程度の搭載量になる。日本電産(6594)は車載用機器を強化してきた経緯があり、電動車向け駆動モーターの商品化にも取り組んでいる。自動車関連は新型コロナによる落ち込みが大きかった分、実需の反動増も21年度前半にかけては大きくなる公算が大きい。テーマ性と21年度の業績改善期待を備えた銘柄に注目したい。
電子部品大手は株価がすでに大きく上昇している銘柄も目立つものの、搭載量の拡大で市場規模そのものが大きくなるのは確実だ。完成車メーカー間では生き残りをかけた開発競争の激化が続いており、短期的には開発投資の増加が収益面の重荷になる可能性が高く、勝ち組の見極めも難しい。目先の投資妙味の高さではEVの市場拡大が数量拡大につながりやすい電子部品株がEV関連銘柄の主軸になりそうだ。