11月の国内公募追加型株式投資信託(上場投資信託=ETFを除く)は、主に日本株で運用するファンドからの資金流出が拡大した。QUICK資産運用研究所の推計では設定額から解約額を差し引いて約4600億円の資金が流出。前月の1020億円を大幅に上回り、2016年12月(4920億円)以来3年11カ月ぶりの多さだった。日経平均株価がおよそ29年半ぶりの高値圏に上昇し、利益確定などの売りが膨らんだとみられる。
個別ファンド(ETF・ラップ専用を除く)でみると、国内株式型(QUICK独自の分類)で資金流出が最も多かったのは、アセットマネジメントOneが運用するインデックス型(指数連動型)の「日経225ノーロードオープン」で312億円。前月は21億円程度の資金流入超過だったが、11月は流出超過に転じた。
2位のレオス・キャピタルワークスの「ひふみプラス」と、5位の「フィデリティ・日本成長株・ファンド」を除き、上位には日経平均株価に連動するインデックス型(指数連動型)のファンドがずらりと並んだ。11月の日経平均株価が過去3番目の上昇幅(15.04%)を記録したとあって、月次リターンはいずれも約15%と好調だった。
前回4000億円以上の資金が流出した16年12月は、米大統領選でのトランプ氏の勝利をきっかけに世界の株式相場が急上昇した「トランプラリー」が起きたときだった。あれから約4年。今回も米大統領選後のタイミングで株高が進み、国内の投資信託市場で主にインデックス型の日本株ファンドに利益確定の動きが広がった。
(QUICK資産運用研究所=竹川睦)