レオス・キャピタルワークス(東京・千代田)の運用資産残高が概算で1兆円を突破した。「ひふみ投信」など国内公募のファンドシリーズと、国内外の年金基金運用などを合わせた金額。「ひふみ」シリーズの純資産総額(残高)は25日時点で合計8900億円にのぼり、同社の運用資産の中核となっている。
■シリーズ9本を運用、残高最大は「ひふみプラス」
レオスは「資本市場を通じて社会に貢献する」ことを経営理念として、2003年4月に創立。08年にシリーズ最初の「ひふみ投信」の運用を開始した。国内株式を中心に運用を続けながら、19年には海外株式に投資する「ひふみワールド」2本を設定し、21年3月末には債券を組み入れたバランス型も投入した。25日時点で9本の品ぞろえがある。
レオスが直接販売するファンドと一般の金融機関で取り扱うファンドがあり、同社のニュースリリースによると、「ひふみ」シリーズの販売パートナーは100社超にのぼる。25日時点で残高が最も大きいのは、販売会社を通じて展開する「ひふみプラス」の4534億円だった(図1)。
■藤野氏「未来を育む国民ファンドに」
25日時点の設定来リターンを見てみると、12年5月から運用している「ひふみプラス」は399.2%、08年10月から運用している「ひふみ投信」は508.8%のプラスだった。市場平均と比べて高いリターンを上げている(図2)。好成績ゆえに基準価額が上がるタイミングで利益確定する動きがあり、残高が大きい「ひふみプラス」は19年後半から資金流出に見舞われる局面もあった(図3)。
5月の資金流入額(25日まで推計値)は、運用中の9本合計で226億円。「ひふみワールド+」が54億円で最も多い。
レオスの藤野英人会長兼社長は25日付のリリースで、「『ひふみ』シリーズがお客様のご要望や不安に応えることのできる資産形成・金融商品のスタンダードに、そして未来を育む国民ファンドとなることを目指し、引き続き全力を尽くしていく」と表明した。
◇レオス・キャピタルワークス「運用資産残高 1兆円突破のお知らせ」