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僅差のトリプルブルー、バリュー株・景気循環株へ高まる期待もほどほどに?

QUICK Market Eyes  片平正二】ジョージア州の上院決選投票でジョン・オソフ候補(民主党、33歳)がデービッド・パーデュー候補(共和党、71歳)に勝利する見通しだとNBCニュースが1月6日夕に報じた。ワーノック候補(民主党)の勝利見通しが5日未明に伝わっており、この結果、議会上院でカマラハリス次期副大統領が同点投票を投じることになり、民主党が過半数を占める見込みとなった。6日の米国市場では既にトリプルブルーとなる可能性を織り込む展開で、ソーラー関連銘柄を投資対象とするインベスコ・ソーラーETFが大幅に5日続伸し、前日比8.67%高の115.27ドルで終えた。

※TANの株価

大麻関連銘柄を投資対象とするETFMGオルタナティブ・ハーベストETFも8.04%高で3日続伸し、民主党政権下でマリファナの合法化が進むとの見方も散見された。財政拡大懸念から米長期金利は上昇し、20年3月以来となる1%台に乗せた。

※mjの株価

■超党派の支持が依然として必要

オソフ候補が勝利する見通しと伝わるのに先立ち、ゴールドマン・サックスは6日付のリポートで「民主党は上院の過半数を実質的に獲得し、下院、上院、ホワイトハウスを掌握することになる。短期的には一層の財政刺激につながることが予想される」と指摘した。追加的な財政刺激策として国内総生産(GDP)の2.7%に相当する6000億ドルが見込まれ、その後、限定的な増税・歳出増加が続くとみていた。

ただ、「財政政策以外の法案が上院で可決されるには60票の賛成票が必要になる」とも指摘。すでに複数の上院民主党議員が、議事妨害(フィリバスター)の排除に公式に反対しているといい、「インフラ、最低賃金の引き上げ、技術規制、環境政策のような問題に関する法案を通過させるには、超党派の支持が依然として必要であることを意味する」とし、ブルーウエーブになったからといって、上院で重要法案を決める際には上院共和党の理解が得られるかがポイントとみていた。

■バリュー株と景気循環株に期待

一方、BofAセキュリティーズは6日付のリポートでブルーウエーブとなる可能性が高まったことを受け、「第一の議題は、追加的な刺激策である可能性が高い。この追加的な刺激策では、現在の予測である4.6%のGDP成長率と消費者物価指数(CPI)の2.1%の上昇が2021年に起こるリスクがある」とし、リフレトレードに期待感を示した。その上でセクター判断に関して「潜在的な税務上の影響と、より強い景気循環的な回復の可能性により、機関投資家は成長株とテクノロジー株から抜け出し、現在アンダーウェイトとなっている景気循環銘柄を採用する可能性がある」と指摘。インフラ投資への期待感から資本財に恩恵をもたらす可能性があるとしつつ、金融、エネルギー、資本財、ヘルスケアを中立から買いに引き上げつつ、素材、情報、消費財、公益を買いから中立に引き下げた。

バリュー株へのローテーションをさらに後押しするとしつつ、「バリュー株と景気循環株は昨年、ワクチンのニュースを上回るパフォーマンスを見せ始めたが、成長株との比較では株価はほとんど再評価されておらず、依然として過去の平均値を下回っている」などと指摘。バリュー株に期待を示す一方で、ブルーウェーブの最大の懸念は法人税の引き上げとも指摘。2022年までに起こりそうにないとしながら、テクノロジー、ヘルスケア、コミュニケーション・サービシズのセクターで業績に7%の悪影響を受けると見込んだ。独占禁止などの規制強化もグロース株のリスクを増大させるとし、バリュー株が再評価されてもグロース株が犠牲となれば、S&P500指数が10%下落する可能性があるとみていた。

■日本市場は?

6日の東京市場では一時民主党候補のリードが伝わり、米時間外で金利が上昇する中、TOPIXグロース指数が0.52%安となった一方、バリュー指数は1.15%高で終えていた。6日の米国市場のミラー相場を先取りしたような展開で、原物指数のNT倍率は3日連続で縮小した。

※NT倍率

短期的にはバリュー株が相対的に強い展開が予想され、NT倍率には縮小圧力がかかりそうだが、米長期金利の上昇が一服するようならグロース株を一段と売る動きは避けられそう。政府は7日、新型コロナウイルスに伴う1都3県への8日からの緊急事態宣言を決定する予定。コロナ禍で相対的にバリュー株が堅調だったこともあり、ブルーウェーブの初動ではグロース株が売られたものの、相対的に日経平均株価が弱い展開が長続きするとも思えず、米国のリフレトレードも上院での民主党優位が1議席だけにとどまるなら持続性には疑問が残る。徐々に企業業績やワクチン期待、ファンダメンタルズに基づいた相場展開に戻ることが想定されそうだ。

<金融用語>

NT倍率とは

NT倍率とは、日経平均株価日経平均)をTOPIX(東証株価指数)で割ったもの。両者の頭文字をとってNT倍率と呼び、両指数間の相対的な強さを示している。 日経平均は東京証券取引所第一部(東証一部)の上場銘柄の中から、日経新聞が選んだ日本を代表する225銘柄株価合計を除数調整した平均価格のため、株価の高い値がさ株(ハイテク関連セクターなど)の影響が強い。一方、TOPIXは東証一部全上場銘柄時価総額による加重平均で計算されるため、時価総額の大きい銘柄(内需セクターなど)の影響を受けやすい。そのため、ハイテク関連セクターの株価が内需セクターよりも上昇するとNT倍率が上がり、内需セクターの株価がハイテク関連セクターより上昇するとNT倍率が下がる。 なお、日米間の株価乖離を見る指数にS&P500株価指数S&P500)をTOPIXで割って算出する「ST倍率」がある。

著者名

QUICK Market Eyes 片平 正二


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