QUICK資産運用研究所が2020年11月に実施した「個人の資産形成に関する意識調査」。3回目は積み立て投資の活用状況などについてまとめた。
■積み立て投資、20~30代が積極活用
積み立て投資が若い世代を中心に広がっている。投資信託を保有している人を対象に聞いたところ、積み立て投資をしている人(一括投資との併用も含む)の割合は54.5%にのぼった。過去2回の調査では18年が42.5%、19年が51.5%とじわじわ増えている。
特に積み立て投資の利用が多いのは20~30代。20代では8割を超え、30代(78.1%)は2年前より16ポイントも伸びた。積み立て投資は少額からでも取り組みやすく、まとまったお金がない若い世代も利用しやすい。
■「積み立て投資の商品選び、重視するのは?
投資信託を保有している人に商品選びで何を重視したか聞いたところ(複数回答可)、積み立て投資をしている人と一括で購入している人で重視するポイントがやや異なる結果となった。
積み立てで購入している人は、「値上がり期待」(38.5%)と「手数料や信託報酬の水準」(38.3%)がほぼ同率で1位と2位だった。「過去の運用実績」が35.4%で続いた。
一方、一括投資では「値上がり期待」が44.2%で断トツ。「手数料や信託報酬の水準」は27.8%にとどまり、積み立てで購入している人とは10ポイント以上の差がついた。積み立て投資ではコスト重視の傾向が強いことがうかがえる。
また、積み立て投資では「人気ランキングの上位」や「口コミやネットでの評判」も一括投資を倍近く上回っており、人気や評判を気にする傾向もみられる。
■「NISAで積み立て投資」、利用広がる
投資信託で積み立て投資をしている人に対し、どの口座を利用しているかたずねたところ(複数回答可)、一般NISA(少額投資非課税制度)と積み立て型のつみたてNISAが66.5%と多かった。過去2回の調査結果からも増加傾向にあることが確認できた。
個人型確定拠出年金(iDeCo=イデコ)も増加が続いた。運用益が非課税になるNISAや掛け金が控除の対象になるイデコを利用しながら、資産形成にコツコツ取り組む動きが広がりつつある。
■つみたてNISA3周年、利用増加 イデコも
積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)が2018年1月に始まってから約3年。「利用している」と答えた人の割合は今回6.9%まで増えた。18年の調査では4.1%、19年は5.5%だった。
17年に加入対象が拡大した個人型確定拠出年金(iDeCo=イデコ)も、徐々に広まっている。利用している人の割合は8.4%と、18年調査より1.7ポイント高くなった。
<調査概要>
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調査期間 2020年11月27日(金)~30日(月)
調査対象 全国の20~74歳の個人
国勢調査の結果に準じて性別×年代別×地域別(8区分)の構成比率を割付け
回答者数 5075人
調査方法 インターネット調査
調査会社 日経リサーチ
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=続く
※「個人の資産形成に関する意識調査」を引用する場合、出所を「QUICK資産運用研究所」と明示してください。
(QUICK資産運用研究所)