投資信託の一部は今後の値上がり期待などから資金が集まり、純資産総額(残高)が積み上がっている。14日は残高の大台乗せが相次いだ。
■日興「ゼロ・コンタクト」、初めて5000億円の大台に
日興アセットマネジメントが運用する「デジタル・トランスフォーメーション株式ファンド<愛称:ゼロ・コンタクト>」の純資産総額(残高)は5000億円を突破した。14日の残高は5014億円。2020年12月上旬に4000億円を突破してから1カ月あまりで1000億円を積み増した。
同ファンドは世界のデジタルトランスフォーメーション(DX)関連企業のうち、飛躍的な成長が期待できる非接触型ビジネスを手掛ける企業に投資する。20年7月に新規設定され、その後も堅調な資金流入が続く。14日時点の基準価額は設定来最高値の1万3698円だった。
■「グローバル・フィンテック株式(年2回)」は2000億円突破
同じく日興アセットマネジメントが運用する「グローバル・フィンテック株式ファンド(年2回決算型)」の残高は2000億円を突破した。同ファンドは世界のフィンテック関連企業の株式に投資する。
14日時点の昨年来リターン(分配金再投資ベース)は92.0%のプラスで、基準価額は1万4188円だった。「グローバル・フィンテック株式」は現在シリーズで4本が運用されており、合計残高は5000億円を超える。
■アセマネOne「未来の世界(ESG)」、9000億円台乗せ
アセットマネジメントOneが運用する「グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)<愛称:未来の世界(ESG)>」の残高は9000億円を突破した。14日の残高は9008億円。2020年12月上旬に8000億円を突破してから1カ月あまりで残高を1000億円積み増した。国内公募の追加型株式投資信託(ETF除く)で3番目の大きさをほこる。販売会社はみずほ証券、みずほ銀行、みずほ信託銀行の3社。
「未来の世界(ESG)」は世界の株式のうち、競争優位性や成長力、ESG(環境、社会、企業統治)への取り組みで優れた企業に投資する。20年7月に歴代2位の当初設定額(3830億円)で新規設定した後も堅調な資金流入が続いている。
20年11月末の月次レポートによると、米国への投資が72.9%を占める。組み入れ銘柄数は25で、組み入れ1位は米アマゾン・ドットコム(AMZN)、2位は米ライドシェア大手のウーバーテクノロジーズ(UBER)、3位は米クレジットカード大手のマスターカード(MA)だった。
■「投資のソムリエ」は4000億円台に
同じくアセットマネジメントOneが運用する「投資のソムリエ」は、残高が初めて4000億円台に乗せた。14日時点の残高は4015億円。14日時点の過去1年間の資金流入額は2000億円を超え、バランス型(QUICK独自の分類)としては国内公募の追加型株式投信(ETF除く)で2番目の大きさとなった。
同ファンドは国内外の公社債、株式、不動産投資信託(REIT)など8資産に投資する。12年10月に設定し、運用実績は8年を超える。相場環境や資産価格の変動要因を判定し、資産配分比率を機動的に変更することで、基準価額の変動リスクを年率4%ほどに抑えた運用を目指す。コロナショック時には安定資産と現金の比率を大幅に増やして運用した。