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日興「イノベーティブ・フューチャー」が残高1位に、「グロイン」を抜く

日興アセットマネジメントが運用するグローバル・プロスペクティブ・ファンド<愛称:イノベーティブ・フューチャー>」の純資産総額(残高)が急増している。運用益の増加が主な要因で、資金流入も続いている。前週末15日の残高は9761億円。「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)」の9606億円を抜き、国内公募の追加型株式投資信託(ETFを除く)で1位となった(図1)。販売会社はみずほ証券とみずほ銀行の2社。残高首位の逆転は、2019年4月22日に「グロイン」が「フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド」を抜いて以来1年9カ月ぶりとなる。

■組み入れ1位はテスラ、運用成績をけん引

「イノベーティブ・フューチャー」は世界の株式のうち、劇的な生産性向上や急激なコスト低下などの「破壊的イノベーション」を起こしうる企業に投資する。15日時点の昨年来リターンは164.5%のプラス。基準価額は2万8371円と、設定来(19年6月28日以降)高値を更新した。

11月末時点の月次レポートによると、米国への投資が8割超を占める。組み入れ銘柄数は49で、組み入れ1位は自動運転を手掛けるテスラ(TSLA)、2位は遺伝子検査サービスを提供するインビテ(NVTA)、3位は米動画配信機器のロク(ROKU)と並ぶ(図2)。テスラの株価上昇の影響を大きく受けて運用成績が好調となり、資金流入も続いている。1月は15日時点までの推計値で158億円、過去1年間では1310億円にのぼる資金が流入している。

■「グロイン」、昨年来リターンがマイナス

残高2位に後退した「グロイン」は2005年2月に設定され、運用実績が15年以上と長い。07年には残高が3兆円に迫ることもあった。投資対象は世界の高配当利回りの公益株。景気に左右されにくいディフェンシブ銘柄であることから相場下落局面でも底堅さを保つ傾向がある一方、昨年上昇幅が大きかったハイテク関連企業のように急激な株価上昇は難しい。

 15日時点の昨年来リターン(分配金再投資ベース)は5.4%のマイナスだった。過去1年では1200億円程度の資金が流入したが、運用益の減少に加え、分配金を毎月払い出していることも影響し、約1年9カ月ぶりに残高首位の座を譲り渡す結果となった。 

 残高3位で追い上げを見せるのが「グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)<愛称:未来の世界(ESG)>」。15日の残高は8887億円だったが、前日14日時点では9000億円を突破した。1月の資金流入額(推計値)は15日までで162億円(推計値)と好調が続いている。

著者名

QUICK資産運用研究所 西本 ゆき


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