日本国債の利回り予想が上向いた。日銀が3月に公表予定の政策点検や米10年国債の金利動向に注目が集まっている。QUICKが2月1日に発表した1月のQUICK月次調査<債券>では、2月末の新発10年国債利回り予想が0.034%と、前回調査(1月末予想、0.013%)から0.021ポイント上昇した。
市場関係者が関心を寄せるのは日銀の金融政策だ。回答者の7割が、注目する投資主体として「政府・日銀のオペレーション」をあげた。18年11月の調査以来2年2カ月ぶりとなる高い注目度だった。回答者からは「日銀3月会合で示される修正の後のオペ運営に注目」(信託銀行)や、「今後の情報発信がどのようにされるのか注目」(投信投資顧問)といった意見が寄せられた。
日銀の金融緩和策はどう変わるのか。想定される手段について聞くと、「ETF(上場投資信託)の買い入れ柔軟化」を予想する人が89%、「長期・超長期ゾーンの国債買い入れ額の見直し」が64%にのぼった。見直しに対する要望としては「ETF・REIT買い入れは非常時の策であり、常態化すべきものではない」(銀行)や「残存期間10年超の国債購入を中止」(証券会社)といったものがあった。
海外金利の動向も注目度が上がっている。バイデン米政権は1.9兆ドル規模の追加経済対策を打ち出したが、実際に成立するのは1兆ドル規模にとどまるとの見方が多い。米10年債利回りは年内に1.4%程度まで上昇余地がありそうだ。時期は12月とみている人が多く、「景気回復力が強まっていくとともに、内外で大量の国債発行への警戒も高まり、超長期ゾーンを中心に上昇圧力が強まることもある」(銀行)と指摘する人もいた。
調査期間は1月26~28日で、日銀が1月の金融政策決定会合の主な意見を公表する前に実施した。金融機関などの債券市場関係者128人が回答した。
※QUICKでは株式、債券、外為の市場関係者を対象に、景気や相場動向についての月次アンケートを実施しています。それぞれの調査結果の詳細は、QUICKの様々な金融情報端末・サービスで公表しています。