【QUICK Market Eyes 川口 究】1日の米国株式市場で電気自動車(EV)のテスラ(TLSA)が4営業日ぶりに反発した。日中取引の終値は前日比5.83%高の839.81ドルだった。米系証券が目標株価(TP)を引き上げたことで、好感した買いが入った。
パイパーサンドラーは1月31日付リポートでテスラの目標株価を515ドルから1200ドルに引き上げた。テスラをカバーする証券会社の中で、最高額の目標株価を付した。担当アナリストは「2020年はテスラにとって飛躍の年だったが、私たちの見方では、花火はまだ終わっていない。過去12カ月間に10倍のリターンがあったとしても、投資家はこの株を売るべきではないと思う」と指摘した。
21年の12月期の販売台数は前年同期比79%増の89万40000台と見込み、30年12月期には販売台数が900万台を超えると予想した。この水準は自動車メーカーのトップ3に入るレベルであること加え、30年には完全自動運転機能が採用され始め、30年の終わりまでにテスラ所有者の半数以上が利用すると想定した。こうしたソフトウェアへの課金が利益率の改善につながる。その他自動車保険市場への参入や、太陽光発電などエネルギー分野におけるビジネス機会など「過小評価している可能性がある」と指摘した。