【日経QUICKニュース(NQN) 藤田心】国内債券市場で先物相場の下落が続いている。8日は3月物の終値が同14銭安の151円50銭で9日続落だった。中心限月としては03年11月に10日続落して以来、17年3カ月ぶりの記録となった。米国での景気回復期待などを背景に米長期金利が上昇(債券価格は下落)基調にあり、国内債にも売りが出やすくなっている。もっとも、値幅自体は小さく、ほどなく反発するとの見方が市場では目立つ。
直近の続落記録は2003年10月24日~11月7日で記録した10営業日だ。当時は堅調な米経済指標が続くなか、11月の国債入札ラッシュや11月9日の衆院総選挙を控えて投資家は自民党が苦戦することへの警戒感から先物に売りを出していた。
■日米の複合要因
週末の衆院選で与党3党が絶対安定多数を確保するなど、目先の不透明要因が後退したとの見方から週明け10日には買い戻しが入り、下げは一服した。もっとも、債券価格が急落した「VaRショック」の年とあって年末まで不安定な相場が続いた。
足元の続落の背景は何か。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊氏は「米長期金利の上昇や日銀の金融政策点検が重なったのが大きい」と話す。米長期金利は上昇基調にあり、5日には一時1.18%と1月中旬以来の高水準を付けた。米国の追加経済対策が早期に成立するとの見方が強まっており、米景気回復や国債増発を意識した売りが出て、国内債にも売りが波及している。
日銀が3月に予定する金融政策の点検結果の公表を巡っては、10年債利回りの許容変動幅を拡大するとの見方が市場関係者からは多く聞かれる。大幅な政策変更は見込まれていないものの「3月の公表を控えて投資家は買いに慎重な姿勢を維持している」(国内証券の債券ストラテジスト)との声は少なくない。
■短期利益狙いの海外勢
先物独自の要因はないか。野村証券の中島武信氏は「短期的な利益を狙う海外勢の売りにさらされているのではないか」とみる。実際、今回の先物の1月27日からの続落局面で現物債相場には堅調さも確認される。長期金利の指標となる10年物国債利回りは1月29日に前日比0.020%高い0.055%を付けて以降は底堅く推移している。
中島氏は海外勢の先物の持ち高について「1月末時点でほぼ中立となっており、これ以上は売り持ち高を抱えるリスクを伴う。各国の政策金利期待はそれほど動いておらず、先物の下落一服は近いのではないか」とみる。
先物も続落こそしているが8日午前までの下落幅は45銭と、03年当時(10日間で1円81銭)に比べ限られる。三菱モルガンの稲留氏も「値幅は大きくなく、現物債市場では超長期ゾーンで相場反発の動きもみられる。先物もそろそろ下げ止まってもおかしくない」とみていた。