SDGsの今を知る VOL.14 クラウドクレジット編集部
SDGs(持続可能な開発目標)の17のゴール。その項目の13個目として設定されているのが、「気候変動に具体的な対策を」です。温室効果ガスの排出量の増加が主な原因として起きている地球温暖化により、地球全体の気候に様々な変化が生じていると考えられています。最近は、異常気象や自然災害のニュースも多い中、人々の環境問題への関心や懸念も高まっており、近年注目度を増している目標になります。
気候変動に関する数値目標や行動指針については、以下のように定められています。
出所:外務省HP資料に基づいてクラウドクレジット作成
地球気温の上昇
地球全体の平均気温は上昇傾向にあり、1880年と比べると平均気温は約0.85度の違いがあります。こうした気温上昇の原因と考えられている温室効果ガスの中でも、最も割合の高いものが二酸化炭素(CO2)であり、その排出量は年々増加しています。産業革命以降、国の経済成長が進み、火力発電や自動車の利用が増えることで、二酸化炭素の排出量が増えるのは容易に想像がつきます。経済発展ばかりを優先し、環境への配慮がなされなかった結果、気候変動及びそれに伴う被害が深刻なものになり、すでに先送りにできない問題となりつつあります。
世界のCO2総排出量の増加を示すグラフ(出所:Our World in Dataに基づいてクラウドクレジット作成)
自然災害の増加
局所的な大雨による洪水といった被害は日本でも頻繁に発生しており、自然災害の中でもその深刻さをイメージしやすいかもしれません。世界各地でも、豪雨や洪水、高潮等の被害が深刻化する傾向にあります。特に島国や、防災・復興能力の低い国々にとって、自然災害は生活に甚大な被害を与えやすく、多くの人々の命に関わるものとなります。海抜の低い島国では台風や高潮による被害を受けやすく、すでに国内の住居や道路が浸水のリスクにさらされているような地域もあります。ツバルではこうした状況を受け、2005年から2015年の間に、国民の約15%もの数の人々が他国へ移住しているだろうという報告もされており、早急な対応が必要です。
降雨量や気温の変化による農業・生態系への影響
気候変動が気温や降雨のパターンに影響を与える場合、その地域の農作物の収穫量に影響を及ぼします。雨が降りすぎることによる土地の浸食、あるいは降らなさすぎることによる干ばつは、地域の農業に大きな影響を及ぼし、食料の安全を脅かしてしまう恐れがあります。その他にも、生態系の変化やそれに伴うマラリア等の感染症被害の深刻化も予想されており、WHOは2030-2050年の間に、年間25万人もの人が、気候変動の影響による栄養失調、感染症で命を落とすだろうとも予想しています。
このように、幅広い分野に影響を与える気候変動問題ですが、経済的に貧しい発展途上国や、小島嶼(しょうとうしょ)開発途上国といわれるような国々での被害が特に深刻になりやすいという傾向があります。先進国を筆頭に、経済発展を遂げてきた国々が生み出した温室効果ガスにより、経済的に貧しい脆弱層の国々人々がその被害を受けているという構図が見えてきます。
これまでの取り組みと今後について
1992年、大気中の温室効果ガス濃度の安定化などを目的に、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)が採択されました。この時から、先進国・途上国グループの両サイドは、地球の環境問題に対して、「共通だが差異ある責任」を負うという考え方を確認しました。これまで経済発展のために化石燃料を消費してきた先進国は、途上国より地球環境問題に重い責任を負い、温室効果ガスの削減やそのために必要な途上国に対する資金的・技術的なサポートを行うべきであるとされています。そして、将来的に経済発展を遂げていく国々も、環境への一定の配慮・責任を負っていることが確認されました。
1997年、気候変動枠組み条約 第三回締約国会議(COP3)では「京都議定書」が採択され、先進国の温室効果ガスの削減を義務づけた最初の取り決めとなりました。そして2015年、COP21では、先進国だけでなく全ての国の排出量削減目標を定めたパリ協定が採択されました。SDGsがすべての国を対象に課題解決を求めているように、気候変動問題にかかる国際会議でも、全ての国がそれぞれの削減目標に取り組む必要性を確認しています。
現在は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の蔓延による世界的な経済活動の停滞により、CO2排出量は減少傾向にあるものの、一時的な効果にとらわれず、継続的な削減努力が必要です。まずは問題の根源的な解決のため、CO2の総排出量を削減し、地球環境の変化の緩和を図ることが最優先といえます。一方で、すでに気候変動による被害を受けているような国々が、変わりゆく地球環境に適応していくために、自然災害への対策や、安定した食料の確保等、政府から個人のレベルに渡って多くのサポートが必要です。緩和と適応、双方の対策を進めていくことが、今後の気候変動問題解決に必要な視点といえます。
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クラウドクレジット株式会社 :「日本の個人投資家と世界の信用市場をつなぐ」をコーポレートミッションとして掲げ、日本の個人投資家から集めた資金を海外の事業者に融資する貸付型クラウドファンディングを展開。新興国でのインフラ関連案件も多く、現地のマクロ・ミクロ経済動向などに詳しい。累計出資金額約363億円、運用残高約150億円、ユーザー登録数約5万1千人(2021年5月11日時点)
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