QUICKは国内で初めて、投資信託を積み立て投資した場合の運用効率を測る評価指標を開発した。運用効率値を示す「QUICK積み立てファンド投資評価」ならびに、同じ投信分類で運用効率値を5段階にスコア化した「QUICK積み立てファンドスコア」の2種類で、積み立てた投資信託がリスクに見合うリターンを上げてきたかどうかを評価する。
新しい指標は、つみたてNISA(積み立て型の少額投資非課税制度)やDC(確定拠出年金)を活用する資産形成層に投資の判断材料を提供するのが目的。今後は日本経済新聞電子版やQUICK端末などで指標を用いた解説記事を配信していく。
■「QUICK積み立てファンド投資評価」
投資信託の運用効率を評価する際は通常、価格変動リスクに見合うリターンを上げたかどうかを測る運用効率(シャープレシオ)が用いられる。シャープレシオは投資信託を一括投資したリターンを基にして算出されるのに対して、「QUICK積み立てファンド投資評価」は積み立て投資のリターンに基づいて算出するのが最大の特徴。数値が高いほど、より小さいリスクで効果的にリターンを獲得したと評価する。
■「QUICK積み立てファンドスコア」
主な投資対象別(※)に「QUICK積み立てファンド投資評価」の数値が高い順にグループ分けし、「5」「4」「3」「2」「1」の5段階のスコアを付与。最高が「5」で、最低を「1」とする。おおまかに段階分けすることで、その投信の運用効率が相対的にどれくらいに位置するのかを把握しやすくなる。
※国内株式型/海外株式型/国内債券型/海外債券型/不動産投資信託(REIT)型/バランス型
【指標算出の概要】 ・計算式 QUICK積み立てファンド投資評価= 計測期間の積み立て投資リターン(年率)÷ 計測期間の基準価額の価格変動リスク(年率) ・対象ファンド つみたてNISA対象ファンドとDC専用ファンドのうち、運用期間が1年以上 ・計測期間 月末を基準に1年/2年/3年/4年/5年/10年 ・更新頻度 月初に算出・更新、スコアを付与 |
■3年間の積み立て効率、投資対象別に比較
実際に計測期間3年の「QUICK積み立てファンドスコア」を表にまとめた。国内株式型、海外株式型、バランス型の3分類について、各スコアの残高上位3本をピックアップした。データはすべて2021年4月末時点。
(注)★はETF、◆はアクティブ型(目論見書にインデックス型と明記していないファンド)。対象本数はスコア付与の対象となるファンド数。純資産総額は億円未満切り捨て。 対象資産別に各スコアで純資産総額上位3本を3年積み立て効率値の高い順に並べた。
国内株式型でスコアが最高の5だったのは日経平均連動型の3本。同じインデックス型(指数連動型)でもTOPIX(東証株価指数)やJPX日経インデックス400連動はスコアが2~3だった。最低スコアの1にはアクティブ型(積極運用型)が並んだ。
海外株式型では「楽天・全米株式インデックス・ファンド<愛称:楽天・バンガード・ファンド(全米株式)>」など、主にネット証券経由でつみたてNISAに多く利用されているインデックス型に5が付いた。一方、最低スコアの1には新興国株式に投資するタイプが目立った。バランス型では「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」などが最高の5。スコアが1の3本はいずれも相場環境によって資産配分比率を変えるタイプだった。
このように5段階のスコアにすると、相対的にどれくらい効率よく積み立て投資を続けられているか確認しやすい。この評価手法の留意点は、計測期間によってスコアが変化すること。今回は3年のスコアで評価したが、5年のスコアは3年と異なる場合もあり、同じ3年でも今後の相場次第でスコアが高くなったり、その逆になったりすることもあり得る。
これは地味に素晴らしい。 万人にとって最も勝率が高い投資方法が「積み立て投資」だと思う。 個別銘柄の短期売買で儲かる個人投資家も居るが、それで損する個人投資家の方が圧倒的に多い。 なぜなら多くの個人投資家がとるであろう行動パターンを研究して、そこから利益を得ようとする機関投資家がいるからです。 なのでそこそこの学習をした個人投資家は機関投資家にとって行動パターンを読みやすいカモなんだと思う。 積み立て投資ならその罠にはまらない。