外国為替市場では米連邦準備理事会(FRB)が年内に0.5%の利上げをあと4回実施するとの見立てが多い。QUICKと日経ヴェリタスが共同で行った5月の月次調査<外為>で、FRBが2022年末までにフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標をどこまで上げると思うか聞いたところ「2.75~3%」との回答が28%と最多だった。
FRBは5月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.5%利上げし、現在の誘導目標は0.75~1%になる。今後も0.5%ずつ利上げするなら、年内にあと5回あるFOMCのうち4回で利上げを行うことになる。2番目に回答が多かった「2.25~2.5%」は0.5%の利上げを3回するとの見立てになる。
パウエルFRB議長は5月のFOMC後の記者会見で、6月、7月の会合でも同じ幅の利上げを連続で実施すると強く示唆した。その後、中立金利(景気を過熱させず冷やしもしない水準)以上に政策金利を引き上げる可能性にも言及した。FRBは当面金融引き締めの手を緩めないとの見方が広がっている。
利上げを急ぐのは米国でインフレが加速しているからだ。そこで、米消費者物価指数(CPI)の前年比伸び率のピークはいつか聞いたところ、22年前半との回答が67%を占めた。回答者からは「高止まりするものの、前年比でみると春以降は鈍化していく」との声があった。
年末の円の対ドル相場について聞いたところ「125~130円」が38%、「130~135円」が36%だった。7割の回答者が今の水準から大きくは動かないと見ている。マーケット・リスク・アドバイザリーの深谷幸司フェローは、「米長期金利が一時3%を超えるなど継続的な利上げは織り込まれており、米金利やドルの上昇余地は限られる」と話す。「年末にかけて景気減速も意識されればドル安の進行もありうる」という。
欧州中央銀行(ECB)の22年末の政策金利(預金ファシリティ金利)の予想を聞いたところ「0~0.25%未満」との回答が46%と最も多かった。「0.25~0.5%未満」や「0.5%以上」も合わせると全体の7割がマイナス金利の解除を見込んでいる。
ユーロの対ドル相場は強含みが予想されている。年末のユーロの水準は調査時点よりユーロ高となる「1.05~1.10㌦」との回答が46%と最も多い。回答者からは「7月と予想されるECBの利上げ開始を前にドル安・ユーロ高に転じるタイミングは近い」との見方が寄せられた。
調査は5月16~18日に実施し、金融機関や事業会社の外為市場関係者78人が回答した。