企業の物価見通しが上昇している。QUICKが15日に発表した6月の「QUICK短期経済観測調査」(QUICK短観)で、企業が予想する消費者物価指数の前年比伸び率(1年後)は、平均が1.7%上昇だった。前回調査を0.4ポイント上回り、物価見通しの調査を始めた2014年以来で最高となった。
QUICKでは毎月、全国の証券取引所に上場する企業を対象に業況判断や事業環境に関するアンケートを実施し、結果をQUICK短観調査としてまとめている。6月調査は6月1日から10日まで実施し、272社が回答した。
製造業の業況判断指数(DI)は前月調査から8ポイント改善のプラス18だった。改善は2カ月ぶりで、改善幅は2021年6月以来1年ぶりの大きさ。金融を含む全産業DIは前月から4ポイント改善のプラス24だった。
日銀金融政策「引き締め検討」希望が6割
話題のトピックについて聞く特別調査では、日銀の金融政策に対する事業会社としての希望を選択式で聞いた。「円相場の動向次第で、円安に歯止めをかけるため引き締めを検討してほしい」が36%と最も多かった。「インフレの状況を見て引き締めを視野に入れてほしい」(24%)と合わせると、6割が状況次第で金融引き締めの検討を望んでいる。「金融引き締めは国内景気を冷やしかねないので、緩和を継続してほしい」は26%だった。
岸田首相が企業に対し男女の賃金差の公表を義務化する方針を表明したことについて意見を聞いたところ、「女性の活躍につながるため前向きに評価する」が30%、「多様な人材獲得につながるため歓迎する」が29%と拮抗した。全体の6割は評価する方向だ。一方、「事務の手間が増えるため歓迎しない」との回答も20%あった。業種や職種などによる差で不公平感が生まれかねないとして、公表方法を気にかけるコメントも目立った。